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数日前の当ブログで、向田邦子さんの小説を取り上げたら、LINN JAPANの古川さん(しばらくLegato/LINN GINZAでご一緒させていただいた)が、「伊集院光の100年ラヂオ」のリンクを送ってくださいました。

それが、向田邦子さんの特集で、ご本人の声で語られたものやインタビューを紹介したものでした。

落ち着いた声で、眉間のあたりから爪先立ちするような話し方、語尾が風に消えていくような、なんと表現したらよいか分かりませんが、素敵な話し方。昔の女性はこういう話し方をしていたなぁ、と大昔に祖母や叔母や母が外向きに話しているのを思い出しました。

その中で、このレコードの話が。

ミリー・ヴァーノンのintroducing。この歌手は、どこかのプロデューサーに見出されてこの一枚を出しっっきり、ふっといなくなって、消息がわからない、できることなら彼女が今どうしているのか知りたいものだ、というようなことを向田さんが話していました。

10数年前、このアルバムが紙ジャケCDで再発された時に、弊店のスタッフがCD屋さんのポップに「向田邦子が好きで聞いていたと書いていた。なかなか良さそうだよ」と買ってきた一枚でした。

それをご本人の言葉で聞けるとは。なんだか感激。

そして相変わらず、ミリー・ヴァーノンの「Spring is here」は、春というより秋や冬を感じさせる歌でした。歌詞を見れば、春が来たけれど、心が踊らない、私は誰にも愛されていない、というような歌詞なのですね。

トーンが、シュワルツコプの歌うシューベルトの「Im Frühling(春に)」にどこか通じるところがありますが、気分としては対極のよう。

そんなところまで思いは巡りましたが、人生長くなってくると色々巡ってきてつながって、楽しいものです。

(竹田)

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