頭がまとまらない時はいつもこのパターン・・・
★ 昨今のコンサート活動
月曜日にオペラシティへ。反田恭平弾きぶり自身のオケ、ジャパンナショナルオーケストラのショスタコーヴィチ1番、それに佐渡裕指揮の同オケ、マーラー1番(反田さんピアノで参加)というカップリング。
一時に異なる指揮者で同じオケを聞くという催しはあまりない?ちょっと面白い経験でした。知っていたつもりでしたが、指揮者によってずいぶん違うものでした。
佐渡さんの指揮は割とねっとりとして高域華やか、反田さんの指揮は・・と言ってもご自身のオーケストラですから当然かもしれませんが、バランスの良い、爽やかな演奏。加えてピアノはやはり凄かった!
グランドピアノを舞台中央に、奥に向かって置いていた(反田さんの背中を見ながら聞く感じ)ので、中央の席でも手の動きなどが割と見えたのでした。
オーケストラの人数も少なめの編成で、オペラシティの響きにはちょうど良い感じがいたしました。
水曜日は、見巧者ならぬ聴巧者?のお客様からお勧め頂いたコンサート。
最近のN響はちょっとすごいですよ、しかも指揮はヤクブ・フルシャですよ!と言われ、ピョートル・アンデルシェフスキ(ピアノ)の名前があったのをきっかけにチケットを取ったコンサート。15-6年前、CDにこの人の名前を見つけてはよく買っていたのでした。
曲目は ドヴォルザークのフス教徒、ポーランドの作曲家シマノフスキの協奏交響曲(これにアンデルシェフスキ)、ブラームス交響曲第4番。
すべて、音楽も響きも、素晴らしく素晴らしかったのですが、予習をほとんどしていなかった前半の2曲の演奏に特に惹かれました。
シマノフスキの1楽章、ビオラと低弦のピッチカート冒頭、弾ける出音に奏者自身の喜びが、弦の先から発せられるようでした。それでいて音は冷静で、自己陶酔していないのです。
すっごく変な例え方をすると、カートリッジの先が拾った音がスピーカーから出て、スピーカーの振動を針先がまた拾ってしまうということがあります(ハウリング)が、それは悪い意味として回っちゃうけど、走者の耳が、自分たちの出した音を聴いて喜んで、それが次々音楽の響きに影響する感じ。伝わりますか?例えが悪すぎますね、、。
そういう様を見ていて、これってコンサートの醍醐味だなぁとつくづく思いました。JAZZやロックでは、観客と一体になってどんどん熱が上がってくる感じがあると思いますが、クラシック音楽でも間違いなくあるのです。そういう時はオーラというか、なんだか時空の揺らめきのようなものを感じます。もちろん毎回ではないけれど。今回は感じた!
アンデルシェフスキのピアノの美しいことも書いておきたい。ちなみに、シマノフスキのこの曲が「ピアノ協奏曲」ではなく、「協奏交響曲」と言われるところも実感として理解しました。あくまで他の楽器と同等で、色んな楽器が飛び出す。ピアノもそのうちの一つとした感じでした。
シマノフスキの出身国ポーランドは、場所柄のためか歴史的に困難な時代が長かったと思いますが、それでか、音楽も一つの方向性(テーマ?)というよりは、突拍子もなく音楽が変容していく感じ(それからしたらマーラーの方がまだ一貫性を感じる)で、その場その場で起こっていることに耳を傾けて行くような聴き方をいつの間にかしていました。
この曲のある種の美しさを知らなければ、飛ばし聞きしてしまうもの。ライブでなければ私は一生出会うことのなかった曲でしょう。
生演奏はやはり時々行きたい。そして海外オケに比べたら、今回2本ともそうですが、チケットが高くない、、。
★ 富士レコード探訪
以前弊店のイベントの折にお出かけいただいたことがあったのに、お伺いしたことはなく、
お願いごとがあって、お店に初めて伺いました。
創業92年!!
日本で一番古いレコード屋さんです。
神保町、老舗、SPも扱っている・・などの印象から、とっても勝手にクラシック音楽のレコードが多いのかと思っていたら、ものすごくたくさん、オールジャンルを扱っておられるのですね。
百聞は一見に如かず・・と言うか、勝手にイメージを作るな、実際に出かけてみなさいという話でした。
今日は、「初心者向けに」と強調して探していただいたワーグナーのアリア集と、最近妙にはまっているフランスの作曲家のピアノもの、それからクリームの「ホワイトルーム」をレコードで聴きたくて、そのあたりを買って帰りました。
聴くのが楽しみ。
富士レコード
(竹田)