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★ JAZZも聴けた
演奏会の予習で聴き、演奏会で聴き、感動してその後も聴き、という繰り返しをして、昨年の年末ごろから、私の音楽世界はワーグナー一色だった。
その間ブルックナーや、マーラー、モーツァルトなどの演奏会を挟んだ時はそれも聴く。
けれど、自宅で何を聴きたいかな、かけようかなという時にとりあえずかける。
夏の間、ひどい時は考えるのが面倒で「ワルキューレ」か「ジークフリート」。
カニンガムがラインの黄金」と「神々の黄昏」にいかないのは自分で何となくわかっている。4部作中「ライン」はまだそこまで面白く感じられず、「神々」は聴くのにパワーがいる。)

約1年の間、そんな風に過ごしていたので、私は心のどこかで、もしかしてもうJAZZで心が動かないようになったんじゃないかと思っていました。あまり声に出して言いたくはないが、ちょっと自分で自分が心配だった。
ワーグナーの毒はそれほど強かったとも言える。

 

定休日にCDの整理をしたりしてGene AmmonsとSonny Stitt「Boss Tenors」をかけたら、なんだかいつもとは別の場所に血が通った感じになる。
じゃあJoe Hendersonは?Benny Carterは?
今まで積極的に管モノを聴いてこなかったのだけれど、妙にしっくりきた。
そしてちょっとホッとした。

思い返せば聴いてなくはないんだけれど「久々に聴いた!」感があったのでした。

★ アルフレッド・ロドリゲス

・・で、急にJAZZに話を振ると、先週の日曜日にキューバJAZZ?ラテンJAZZ?のピアニスト、アルフレッド・ロドリゲスを聴きに行った。丁度10年前フラッと入って聞いたのが彼の演奏で、その時の熱狂はずっと覚えていた。
知らないうちにもう今回が来日8回目だとかで、来年はクルーズ船の飛鳥で演奏するのだとか。
クインシー・ジョーンズも認めたとか、音楽院でクラシックのピアノを学んだとか、そういう枕詞は前回も書かれ、今回も書かれ、私だって人に紹介するときについそう話してしまうから、まだずっとしばらくそうだと思うけれど、38歳若手JAZZピアニストの今後に大いに期待。

ぶっちゃけて言ってしまえばライブ自体は前回のほうがよかった・・というのは、前回はロドリゲスのピアノ、ドラム、ベース、サックス、トランペットのクインテット。
今回はドラムとベースとのトリオで、個人的にはトリオよりも、クインテットの中で演奏するほうが「らしさ」が出ている感じがした。
(ちなみに、アルバムはトロンボーン、サックス、トランペット、パーカッションの他、ボーカルまで入る)

ロドリゲスを聴いていると、ピアノは打楽器なんだなぁとも思う。色のある打楽器。
だから、ものすごく期待。
名前が中々覚えられない昨今ですが、覚えていてよかった一人。

2014年のライブのブログ 当時28歳だったことに今、驚愕。

★ ビル・カニンガム・イン・ニューヨーク

ジャンルとしては「ファッションのドキュメンタリー映画」の部類ですが、「ファッション」という枠におさまらない、乱暴な言い方だけれど「すごくいい」映画。

ビル・カニンガムは、50年以上、NYタイムズのファッションコラムの写真を撮り続けたカメラマン。
この人の仕事に対する姿勢、信念だったり、生き方だったり、人との接し方だったり。
勿論ファッションの歴史も。

これを見て感動するのは、とっても「昭和的」なのかもしれない。
信念を曲げずに、自分に偽らずに仕事するということが、今の世の中では多分難しいから、ちょっと憧れる。
カニンガムの仕事術はこの先「おとぎ話」のようになっていくかもしれないけれど、こういう人がプロフェッショナルなんだよなとも思う。
自分の目で見て、感じて、点と点を繋いで、人に提示してゆく。それを延々と続けられる人。
自分を律しながら。
そういう人に私はなりたい。
(竹田)

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