オーディオ哲学宗教談義の第2シーズン2回目。
昨日のブログで告知した通り、LINN LP12の内蔵フォノイコライザーURIKA1と2の比較がメインテーマでした。
試聴会での「新製品比較試聴・・」というと、新しいほうがいいよね、ちゃんちゃん、みたいな感じがしてしまいますが、ちょっと今回のURIKA2は、頭を悩ませます。
アナログもアナログな45年作り続けられてきたターンテーブルなのに、デジタル(LINN独自のEXAKT LINK伝送)出し・・というものなので、存在自体が「これなんなの?」「何に属するの?」と思ってしまう。
出た音を聞けば、納得せざるを得ないほどの違いがありますが、これを聞いて「どう捉える?」というのは、とても興味深いところです。
会の冒頭では、哲学者・黒崎政男先生の領域、カントの二元論や、対してヘーゲルの批判を、大変わかりやすくお話して下さいました。
例えば世界は異なる二つのものでできている。人間なら女と男。感性と理性。・・とカントは考える。それに対してヘーゲルは「いや、本質は一つだ」と言う。
その話を受けて、宗教学者・島田裕巳先生が、オーディオは常に二元論の世界で、対立軸で色々できている・・とのこと。
(だいぶ端折っています。詳しくは後日アップされるPhile WEBにて!)
そういう観点から、今日のURIKA2は、本質は一つだと言うヘーゲルのいう世界のものなのか、それともアナログ・デジタルの二元論の世界に属するのか、それならばやはりどう捉えるのか・・。
別に考えなくてもいいことなのだけれど、考えるとオモシロイ。
その答えを知っているのは、「URIKA」(※)と名付けられた、この製品自身かもしれないです。
便利で手放せなくなり、その勢力に訳が分からないうちに引きずり込まれそうだから、理性が、少し距離を置こうとさせるのか、
多くの可能性を秘めていてこれだけ生活の中に入り込んでいるので、使いこなす感性が必要になってくるのか・・・。
「デジタル」の世界はまだまだ計り知れない感じが今日もいたしました。
今日のイベントのオーディオ的なことを言うと、「アナログ(URIKA2)」の圧勝でしたが、
リマスターではない、最新録音のDSD(ガッティ指揮・マーラー交響曲2番)と、
ファーストプレスのレコード(クレンペラー指揮・マーラー交響曲2番)、
この比較はかなり面白かったです!
これはつまり、それぞれのフォーマットに即したものの比較ということになるので。
(つまり、その時代に録音された音源が、最もいい状態で手に入るかたち)
※ 製品名「URIKA」は、ギリシア語「EUREKA=わかった!」の意味で、古代ギリシアの数学者のアルキメデスが、お風呂に入ったときの水位の上昇で湯に浸かった分の自分の体積がわかる・・ということを発見した時に叫んだ言葉。