PIEGA Premium50.2をお使いのお客様が、システムアップグレードを考えた場合。
これまでのアップグレードで、LINN MAJIK DSM、1台で鳴らしていらしたところから、OCTAVE V110SEを導入され、、と段階をふんでこられました。
今回はもう少し違ったご相談が。TV横にピッタリにスピーカーを置いているため、オーケストラではどうしても混濁してしまう。でもPIEGAの音は気に入っている、、。
そこで、50.2よりもスマートで、それでいて音が良くなるもの。
あります。COAX511という存在が。シングルのリボンのPremium50.2から同軸2ウェイを大きなリボンユニットで構成するCoaxialユニット。少し背が高くなるものの、50.2に比べ面積はだいぶコンパクトになります。
合わせて、プレーヤー部の強化を図り、MAJIK DSM1からAKURATE DSM3へ。
更に、アンプの置き場所がどうしてもスピーカーに近接するため、ご提案したのはQuadraspireのVENT。Quadraspireは前後・横方向には遮るものがないのですが、VENTは棚板にスリットが施され、縦方向のレゾナンスも解消。更には放熱効果も高く、他のラインアップよりも棚板厚が25mmと厚いのでガッチリしています。
オーディオラックは、スピーカーの近くに置くことも多いので、スピーカーからの音圧を縦の面で受けないということはかなりポイントが高いのです。どうしても、背板とか側面の板というのは、反射して影響が大きいもの。その上、アンプの置き台として、それ自体がリジットであったり、振動を溜めない構造であることもとても重要です。
お客様のお宅では、ラックのレゾナンス、スピーカーのスマート化、プレーヤーの強化で、かなりのレベルに。
この時点で、楽器の鮮度が上がった!とお喜びでした。最後の仕上げはスピーカーの足元。
TVのすぐ横にあるため、スピーカーベースが置けないので、かくなる上は、、とお勧めしたのがansuzのスパイクマウントadjustadble。
ラインアップがいくつかありますが、今回お持ちしたのはAとC。
AもCもインシュレーターの素材はアルミでアルマイト処理していますが、工程が多少異なり、Cは、より硬い表面を実現することができて、素材にアルマイト処理が深く入り込むというもの。
AとCを比較すると、始めコルトレーンなどは、低域がややスッキリするかな?という印象。しかしキレが出ているのは確か。チェリビダッケの大ファンであるお客様は、チャイコフスキーのくるみ割り人形から、ストリングスが美しくハーモニーする花のワルツでは、明らかにCの方が見通しが良くなり、奥行き高さが広がりました。
コルトレーンには、少し粗さもほしいところでしたが、ターンテーブルで聴くと生々しさが出て、やはりCだということに。
ちなみに、この度カートリッジもDENON DL103からLINN Krystalへアップグレードしたところ、後にお客様からご感想が。
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カウントベイシービックバンドの1977年モントルーライブ(今はなきパブロレーベル)のLPを聴きました。
もともと音が生々しくトランペットの高音、ドラムセットのパンチのある音、御大ベイシーのポロンというピアノにしびれるのですが、システムを更新すると、まさにそこにバンドが存在するかのように響くようになりました!
楽器の奥行の定位もしっかりとわかります。
当分LPやリッピング音源を改めて聞き直すことに没頭しそうです。
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大々的なアップグレードでしたが、もとよりお客様の好みがはっきりしていらしたので、ブレなくもれなく、お客様の理想の音は近づいたのでは、、と。
チェリビダッケ指揮の演奏を聴かせていただいて、中々リハーサルが大変な人だったと本で読んだけれど、この人にしか出せない音があったのだろうなあと、音楽に思いを馳せた熊本納品でした。
(竹田)