久々にレコード屋に行った話を書きましたが、その時のジャケ買いを。買ったのはCDですけれど。
イタリア語のタイトルにこの横顔。
うっとりするような声が聞こえてきそうで、手に取りました1枚。よく見れば、男性の名ということも予想できたでしょうに。
聞き始めたらいつまでたっても女性の声は聞こえてこない。
イタリア人男性で、ギタリストでした。
スタンダード曲もたくさん入っているのですが、ギター1本でなくて、ストリングスや鼻歌や管楽器などが入ってとってもお洒落な古い時代のイタリア映画の雰囲気。
実際リリースは1965年ですから、まさに時代の空気でしょうか。
決めの1枚!とか、リファレンスソフトに!
というような筋肉質なものとは無縁で、日曜の午後にリラックスして雑誌でも眺めている時のBGMに素敵な1枚。
DISK UNIONがライナーを付けて輸入・販売しているものでした。
オーディオのシーンでは、あまり賛同を得られることはなくて、人に勧めるほどのものではないかもしれませんが、こういうのんびりした時代のちょっと肩の力の抜けたものも好きなのです。
久々にCDをリッピングしてNASに入れたので、店のNASをザッピングして聴いていましたら、これまたジャケットに惹かれてプレイリストにのせてみました。
Mimi Terris。
これはどうやら彼女自身の写真で、ボーカリストでした。
綺麗な人です。
これがまた良いのです。
あまり名前を聞いたことのない人だし、モニカ・ゼタールンドとか、やっぱり4-50年前の録音かなと思って調べたら、なんとこの人1984年生まれ。
でも、歌い方とか演奏とかすごく古き良きの雰囲気があって、さっぱり「???」と思って、ライナーを読みたくて、ついCDを取り寄せました。
これまた面白いことに、DISK UNIONの輸入・販売のCD。
ライナーには、「戦前のミュージカルや、キャバレーミュージックに興味を持った」ことや、戦前のサウンドを演奏するあるバンドのライブで衝撃を受けたことなどが書かれていました。
そして、そのライブでの衝撃を表す彼女の言葉に思わず膝を叩いちゃう。
このCDのライナーノートから1文抜粋します。
「・・懐古趣味ではない。古典を磨き上げようという行為ではない。それは全く新しくて、最先端・・」
「うちの店でしていることですよ!」と。
なんでもすぐに自分に話を寄せるのは今年はやめようと思っていたのですが、、、。
それはともかくも、今の人が古典風にという感じはなくて、歌心があって、落ち着いていてなかなか素敵な1枚です。何より本人の「好き」がにじみ出ています。
他のアルバムもちらっと聞いていましたが、他はこの雰囲気はなく・・。
何かこれらの音楽に意味を見出すかと言われたら、そんなに見出さないかもしれないけれど、友人とか家族とかオーディオに傾倒していない誰かと居て、なんとなくかけるとしたらこういうアルバムかしら。
DISK UNIONが時代を繋いでくれたような2枚でございました。
・・・ところで冒頭に「レコード屋」といいましたけれど、なぜCD屋さんと言わずにレコード屋と言ってしまうのかなあ。
「CD買いに」をレコード買いにとは言い換えないけれど、CD屋とは言わないんですよねえ。
(竹田)