20世紀の偉大な彫刻家、アルベルト・ジャコメッティ。
ジャコメッティの作品はすぐにわかる独特さをもっています。
最初は、その異様さにぎょっとし、その後は不思議と目が離せなくなる。
目に映るものを「見えるとおりに」表わす。簡単そうに思えて実際には不可能なほど難しい。
ただひとつのことを生涯において追求してたどり着いたのが、贅肉を削ぎおとしたような細い彫刻像、彫刻の限界と思えるほどの作品には、あくなき追求への到着点が見え隠れします。
生涯において、一番興味を惹かれるのが、日本人哲学者、矢内原伊作との関係でしょう。
彼の晩年近くの作品には、矢内原とのモデルという域を超え、親交の中から二人の「共同作業」で生み出されたものが数あります。
この共同作業の観点でいえば、オーディオの世界もエンドユーザー,私ども販売店、メーカーによるひとつの共同作業でのちに名品と呼ばれるものが生みだされてくるのだと思います。
芸術作品のなかの音楽、音楽のなかのオーディオ、ものとしてのオーディオ、これらの関係は生涯を通じて追求できる共通項なのでしょうか。
そんななか、この週末、ATCのスピーカーが揃い踏みです。
名品スピーカーの数々をお試しください。
(花木)