music

小さなLegatoの空間でシステムがいい音していないと、
誰も振り向いてくれないお店になってしまいます。
置いてある製品も、聴けるスペース(試聴室)も何しろ少ないですから。
きちんとセッティングしておかないと「あちゃー」という音になり機材の説明もなんだかうまく言えず、逆に横で聴いていても「いい音してるねぇ」と言うときは、饒舌になってしまいます。
その日の湿度や気温によって、空気が重たければ○○をする、乾燥していれば××に替える。
MAJIK140なら・・・、TRU-SONICなら・・・。
・・・といったように、いくつかポイントポイントでセッティングを替えるのです。
さて、そんなときに重要になってくるのが、わかりやすい「曲」。
まずは、こんな感じではじめています。

映画「もののけ姫」サウンドトラック
「えっ?」と思われましたか?
この中から「戦いの太鼓」と「タタラ踏む女たち」という曲を使います。
「戦いの太鼓」では、倍音がきちんと出ているかの目安として。
「タタラ・・・」は数人の女性のコーラスなのですが、低域がきちんと出ていないと、高域が伸びず押さえつけられたようになり、うるさくなります。たたら場で働く女たちの声は、伸びやかにかつやさしさが出ないと・・・。
実はこの曲、お客様が以前「リファレンス」として聴いていらしたのを、「その案いただき!」と使い始めたのです。
久石譲さんの音楽は、深みがあって録音もよい!
お次はこれ。

The Dialogue 猪俣猛
‘The dialogue with bass’
この録音で、ドラムがいかにヌケ良くスピード感が出るか・・・。
特にTRU-SONICでは、重要な点です。
空気が重たい湿気のある日は、全然切れがなくなり、とろいドラムになってしまうので、それだと×。
雨が振った次の日のむぅっとした天気の日は、こうなりがち。
現代のスピーカーであれば、壁に近付けるところですが、ビンテージのユニットは同じようにはいかない、ということがだんだんわかってまいりました。

DAVID FOSTER & FREIENDS
低域の処理が旨く行ったら、音場を見ます。
ちゃんと広がっているか、回り込みはあるか。
Legato2Fの小さな空間で、ライブ会場にいるように感じられるか。
もうすぐ来日のデビッド・フォスターのライブ盤や、ベートーヴェン朝比奈さんの第九などで、この辺を見ます。
デビッド・フォスターでは、定位も合わせて確認します。


Beegie Adair
それからJAZZの楽曲(写真は山野楽器ご推薦のビージー・アデール。この人も今月ライブがある予定。なんと初来日。)で、ピアノの音が立っているか、滲んでいないか、ベースやドラムが膨らんだり、かぶったりしていないか。
ここまでくると、上に挙げたものに行きつ戻りつしながら確認します。
DIALOGでOKだと思っても、このピアノトリオで中低域が膨らんでいたら電源周りやケーブル周りに何か原因が!
そうなると、全て電源OFFして・・・など、忙しい朝には大騒動。
ここまで何もなくうまくいけば、最後はシナトラ。
シナトラが旨くなれば、だいたいOK。
低域がしっかり出ていて、中域に厚みがあり、サウンドステージがバランス良く広がっていること。
これをクリアすれば、ボーカルはもちろん。クラシック・JAZZもほとんど大丈夫。
理想通りにいかないこともありますが、だいたいこんな感じで1日が始まるのです。

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