今日は何の前触れもなくチーズの話。
なぜかと言うと、新型肺炎のせいでこの半年食べられなかった大好きなチーズが手に入ったから。
それは、フランス産の「コスナール」という名のチーズ。羊乳で作られるのだそうで、ほんのりと黄色いけれど、どちらかというと白っぽい、セミハードタイプ。セミハードと言うのが、どの程度までのことを言うかわからないけど、常温で置いていてもデローっとなることはなく、歯応えはあるにはありますが柔らかい。
味は、塩味が多くなくて、牛乳っぽい、優しい味。
モンドールとか、ブラータのように、主役はれるタイプではないのですが、朝、コーヒーとパンとでも、夕暮れ、食事の前のアペリティフにも、夜、ワインと一口でも(どんな生活やねん)、どんな時でもそばに居てくれる、そんなチーズで、ごく、ごく、普通の感じなのですが、この普通さが、実は結構ないということが、あとあと、色々食べるうちにわかってきて、そんなに安くもないのだけれど、常備して大切に食べるチーズなのでした。
なのに!にっくきコロナのせいで、自粛期間デパートがクローズ、自粛で家にいるのに、コスナールも途中で尽きてしまい、デパートが開いて、ああやっと食べられると思ったら、入荷がない。
それはそうでしょう。でも人間と言うのは便利にはすぐ慣れてありがたみを感じない代わりに、不便には中々慣れないもの。
松屋銀座のデパ地下を通るたびに、コスナール、、、と呟いて、お店のお姉さんやお兄さんに、ごめんなさい、あれは空輸でくるので、他のも美味しいのがありますよと、色々勧められましたが、コスナールに代わるものはなかったのでした。
もう完全に諦めた先日の定休日、別のチーズを買いに寄って、「コスナールないわよねぇ」と言うと、お姉さんの誇らしげな「あります!」と言う言葉と、白っぽい山。
わー待ってたー!嬉しいー!!久しぶりだー!
またいつ食べられなくなるかわからないので、買い占めたいくらいでしたが、やはり時間を置き過ぎると美味しくなくなっちゃうから、大きめのブロックを1つ、買って帰りました。
コスナールを納めた冷蔵庫のなんたる幸せな佇まい。
こんなことも、こんどの新型肺炎がなければ思わなかったことかもと、心のどこかでは思ってはいるのです。
(竹田)