お客様が、音楽好きで演奏もする部下が、マイルスやビル・エバンスを知らなかったんで驚いたという話をされました。

聞けば30になっていないとのこと。それは知らないことだってありますよ。当の私、サウンドクリエイトに入るまで、どちらも知らず、聴いたこともなかったですもの。

JAZZの巨人たちが、モーツァルトやベートーヴェンのように当たり前に知られるということはないのではないでしょうか？出会いがないですもの。学校の音楽の授業で出てこないし。

JAZZやロックでスターが世の中に登場するのをライブで見て聴いてきた人たちと、今の若い世代で大きく時代が違うのはインターネットのある、ないもおそらくあって、インターネット時代では、たくさんのコミュニティがあって、多くの人が共有する音楽とか本とか、大流行なんてことは起こりにくくなっているとおもいます。ここのところで言うと「鬼滅の刃」くらい？

JAZZを聴こうと思ったら、マイルスにもビル・エバンスにもすぐ当たるけれど、JAZZ に興味を持たなければ知りようがない？かも。

昨年だったか、「YESTERDAY」と言う映画を観ました。主人公がビートルズがなくなっちゃうパラレルワールドへ飛んでしまうという内容。主人公は器用で、なんとかビートルズの音楽を再現して、スターになって行くのですが、好きな音楽が二度と聞けなくなったら本当に嫌だなぁ。

マイルスもビル・エバンスも、グールドもカザルスも何にも知らなかったけれど、今はかけがえのない存在。知ってしまった今、昔には戻れません。

いつでも聞けると思うから、気分に合わせてそのとき折々に好きに取り出して聞く、そんなの贅沢と思ったこともないけれど、パラレルワールドに行かなくたって戦時中は聞けなかったわけだし、天災被害で持ち物を失うこともある。

そんなことを思ったら、聴かなきゃ！！と今アンプの電源を入れてみる。Telefunkenは絶好調。

（竹田）