ウッディ・アレン。
先日までケイト・ブランシェットを主役にした「ブルー・ジャスミン」(これで彼女はアカデミー賞主演女優賞獲得)がロードショーでやっていましたが、まもなく「ジゴロ・イン・ニューヨーク」という映画が始まるとか。
80歳ちかいというのに多作で、その衰えのない描写力は凄いです。
ちなみに、「ブルー・ジャスミン」は、転落したセレブ・マダムが主人公でしたが、ケイトの役作りがあまりにリアルで「痛々しい」なんて一言で片付けてはいけない「技術力」でした。
(「深み」も「重み」もない人格を、あの賢そうなケイトがそのように見せるのです。演技力なのでしょうが、やっぱり「技術力」と言いたい)
ものすごくウッディ・アレン好きというわけではないけれど、街をうまく見せる人で、淡々としていて、監督の冷めた目を通して見る登場人物は、滑稽だけどそれぞれ「生きて」いて、なんだかんだ観ます。
音楽も、いつも中々よいものがかかっていて、音楽への愛情を感じます。
実際クラリネット奏者で、NYのカフェで演奏しているのだとか。
先日BDで見た「ミッドナイト・イン・パリ」は、その名の通りパリを舞台にした映画。
小説を書きたい主人公が、現代のパリと1920年代のパリを行き来してしまうというほんのりSF仕立てな内容。
しかし、この監督のこと。スペクタクルもドラマティックもなくて、相変わらず淡々としているのですが、主人公がジャン・コクトーのサロンに紛れ込んだり、そこでピアノを弾きながら歌っているのがコール・ポーターだったり。
最後には「自分の生きる時代より昔のことを『ゴールデン・エイジ』だと憧れるのはいつの時代も同じことなんだ」と気づくのですが・・・。
そうですね、私が思う「ゴールデン・エイジ」は江戸時代か、はたまた1950年後半の高度成長の走りの頃かなー。
オーディオが元気だった時代も気になりますが、オーディオに関してだけは、今・昔どちらも手に入る「今」に満足しています。
この映画、音楽もよいので、これはスピーカーを通して聴きたいですね。