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本日のオーディオ哲学宗教談義の夏休み番外編でした。

こういう時リポーターは、いかに面白かったかを表現するにあたり、自分は徹底して傍観者でいないとならないのかもしれませんが、自ら大笑いしてしまい、良いリポーターにはなれないなと思っている次第です。

今回の趣旨・システムは昨日も弊店WEBに載せているのでご参照いただくとして、哲学者の黒崎先生と宗教学者の島田先生がそれぞれ、ご自身のはまっているものについて語る!というものでした。

人って、自分の好きなものに対してものすごく正直で真摯になります。
そして、好きなものを紹介するからには、「共感してほしい/わかってほしい」という気持ちがどこかにあるはずです。
でなければ誰かに向かって話す意味があるか?ないと思います。
閉じこもって自分だけで楽しんでいるほうが、誰からも何も言われる心配がないですもの。
でも、「こんなに楽しい」「こんなに素晴らしい」というとき、やはりそれを誰かと分かち合いたい、あるいは他の人はどう感じるのか、という好奇心もあるかもしれません。
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今回、お二方がご自宅で楽しまれていることを店頭で再現するに当たって、システムのセッティングは実はそれなりに紆余曲折がありました。

お打ち合わせに頂いた時間の中で、私たちの浅い知識でROONの音はうまく鳴らすことができず、島田先生には「うちの方が音がいい・・。内ではもうちょっと音が前に来る」、黒崎先生には付け焼刃なモノラルのセッティングを「いいんだけど、ちょっとキツイかな・・。うちだともっと豊かに鳴るんだよな」ということをそれぞれから頂いておりました。
先生方も、ご自身の発言に音という裏付けがないと困る、話の行き場が変わってしまう。
私たちももちろん望まないことです。

今日のがベストとは言い切れなくとも、今日に向かって「これでどうだろう!」という音にできて、直前の音の確認でもお二方からOKサインを頂き、音に不安がなかったからかどうかはわかりませんが、お話しも盛り上がりとてもリラックスした和やかな楽しい2時間半でした。

会の中で、今や作曲家でも演奏家でもなく、録音エンジニアで聴くようになってしまった黒崎先生の話の件りから・・・。
曲があり、演奏者がいて、録音技師がいる。
その中で録音技師によって、ものすごく表現に違いが生じる。
それで黒崎先生は、録音エンジニアで聴いているのかも。これってものすごくオーディオだ!と思われたそうです。
それに対して、島田先生からのお話しで、同じ素材を扱うにも伝えてで全く異なるものが出来上がるというお話を頂きました。

そのやりとりを聞いていて、あたまに浮かんだのは缶珈琲GeorgiaのCM。

作曲家、演奏家、録音エンジニア、オーディオメーカー・・・そして我々。
最後に、その音楽の魅力を見出し、披露する先生方のサジェスチョン。

皆の仕事術で、本日のLOUNGEの音があったわけなので、これも立派な演奏会だなぁなどと勝手に思っていたのですが、作曲家からすれば何百年という時を経て、世界を股にかけ、先生方の子供時代や青春を経た経験値からの音楽をここLOUNGEで鳴らすのだから、私たちがサボっていいわけがなく、大きな仕事だったのだ‥と今書いていて思う次第。

タイトルの「井戸掘り」は、今後の私のテーマでもあるのですが、白洲正子さんの言葉に「好きなことを1つでもいいからやってごらん。井戸を掘るように」というのがありまして、一つことでも井戸を掘り続けると、他の事柄とも水脈はつながっている・・。要は1つのことを深く掘り下げていけば感性でなんでも物事が見えてくる・・というような意味として、とらえているのですが、今回のお二人のお話しは還暦を過ぎて井戸を掘り続けて新たな楽しさや発見をしていらっしゃるお姿に、不惑を過ぎたばかりの私のようなものがすぐすぐ「わかった!」などと早合点してはいけないな・・と改めて背筋を伸ばした次第でもあったのでした。

しかし、何よりもまず「楽しかった・・」というのが今日の感想!

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