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何度かご納品に伺っているお客さまが、奥様もお店を見たいと言っているので次回は2人で行きますね、と仰られていて実現したのが昨日でした。

ご自宅のシステムはBrodmannとSELEKTとLP12。とってもお楽しみいただけているようで、音楽の幅が少し広がりました(お客さまの言葉を借りると『半径2ミリ程度だったのが3ミリまで広がった』)とのこと。

それで、その2から3ミリに増えた音楽をお客さまがプレゼンしてくださいまして、それがどれもとてもよかったのです。やっとレコードが手に入って、昔聴いてらしたものがお客さまの中でリバイバルしたのもあるようで、色々全部良かったのですが、最後に忌野清志郎のCoversから、イマジンかけたのです。レコードで。昨年再発の。

イマジンといえば、ジョン・レノンで、それを清志郎が日本語化して歌っているのですが、録音のせいなのかちょっとエコーかかってて、しかも、冒頭から「天国はない、国境もない、ただ空があるだけ」と始まるの。

それって清志郎の歌がそれこそ空から降ってきたみたいな感じで、みんなそう思えばなんら簡単な世の中なのにって、本当に納得する。そう思う。

世の中を良くしたかったら、これを聴いて欲しい、いや、そんなのおこがましいんだけど、心が動かされたことを言いたい。ただそれだけのことです。

ちなみに、それはJBLのD123と175でした。

それから、これは今日のことで、LP12を聴きにいらしたお客様にお聞かせしたくて、上海バンスキングの吉田日出子の「りんごの木の下で」をかけました。

これをLP12でかけて、360パッシブで鳴らしたんです。

そしたら「林檎の木の下で明日また会いましょう」「楽しく頬よせて恋を囁きましょう」という歌詞が、学生の時に暗記した島崎藤村の「初恋」と同じ世界だったのでした。

「まだ上げ染めし前髪の」から始まるあれです。教科書に絶対載っていたやつ。「林檎のもとに見えし時、前にさしたる花櫛の花ある君と思いけり」その先と、この「りんごの木の下で」が妙に重なりました。

この歌は元々アメリカの歌ですが、この吉田日出子が歌う歌では原文からかなり離れています。とてもメロディに合っていてすごくいい。

上海バンスキングの舞台で歌われるこの歌は、藤村の初恋がもっと身近にあった時代な気がする。だから、心なしか重なる部分があってそれを現代化した。モダンにした感じがする。

それを360で音楽を聴いていて初めて感じた。今まで何度も聞いてきて、Decca Decolaとか、EMTとか、様々なシステム(名機)でこの盤を聞いてきて、このことを初めて思ったのが不思議だった。

でも自然にそう感じて、それは誰かにもそう感じさせる気がすると思う。

(竹田)

 

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