店頭でお客様に教えて頂いて聴くようになることは多々あり、音楽との出会いに恵まれた環境におります。
先日、N響ファンのお客様から教えていただいたこれもその一つ。
ボロディンとスメタナのカルテットを、ストリングスカルテット響が演奏するもの。
ストリングカルテット響は、桐朋学園大学時代の気心のしれたメンバーで結成されているそうで、N響の大宮臨太郎氏もメンバーとのこと。
いずれのカルテットも初めて耳にするものでしたが、どちらも素敵な曲。
スメタナのカルテットの1番には「我が生涯より」という副題あり。
この光る小品に添えられた言葉として、この「より」がつくかつかないかで、見えるものは大きく変わってくるものです。
これを「我が生涯」と言ってしまうと、人生そのものみたいで、それを表すにはスケールがちょっとばかり小さい感じがしてしまうけれど、「より」をつけると奥行きができる。こんな素敵な音楽、人生の中に一つでも二つでもあったら、その人生はさぞ豊かだったろうと思う。自然の中の美しさを愛でるような、柔らかくて優しい旋律。
他のカルテットでも聞いてみましたが、このストリングスカルテット響の演奏は、ことのほか、そうした感じがして、瑞々しさや爽やかさのある、朝露のような演奏でした。
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ストリングカルテット響
世の中不穏で、なんとなく心が落ち着きませんが、そんなざわざわを優しくなだめてくれるような感じデス。
(竹田)