この定休日は「全く内容覚えてない!」という、昔観た(はず)映画を漁っておりました。
小津映画は「彼岸花」
「秋刀魚の味」と「晩春」と「秋日和」と全部ごっちゃになってしまい、あれ、今回は奥さんこの人?みたいな感じになるけれど、佐分利信、中村伸郎、笠智衆のマンネリ感も心地よい。
誰かがどこかでタイトルと中身はこの際リンクしなくていいみたいなことを書いていたけど、確かにタイトルの持つ意味愛みたいなものがあるようなないような、少なくとも「秋刀魚の味」や「秋日和」は何度見ても私にはそれを見つけることができない・・。
観ていても一番記憶に薄かった「彼岸花」は、小津映画初のカラー映画だったということも今回初めて知る。
(忘れているだけかも)
戦前・戦後の「結婚観」が変わってきていて、現代にも通じる恋愛結婚や、同棲、仕事一筋で・・という各々の女性の選択に親がやきもきするという・・たわいもないようで普遍的なそんな話を小津調で描きます。
感情の起伏が激しく表現されるているわけではないのに、じんわりと気持ちの変化が見られます。
でもしみじみというより、父親や祖父とどことなく通じるものあり、結構大笑いして観てました。
小津の後にはハリウッド流エンターテイメントを。
お客様と「シャレード」の話で盛り上がったある日
「昔観ました!スキー場の素敵な装いの!」
「そうそう、ジバンシーなんですよね、あれ。ケーリー・グラントが・・」
「あれ、ピーター・オトゥールではなくて?」
「それはおしゃれ泥棒。ほら、実は切手が・・ていう」
「切手・・?」
本当に観たのか?というほど何にも覚えていなかった自分の記憶力が心配になり観ましたが、やはり全然覚えてなかった。
ただ、ヘップバーンのジバンシーの素敵なスタイルと、片手がフックになった悪役だけは、強烈に覚えていたのでした。
サスペンスあり、アクションあり、ファッションあり、ロマンスあり。
サスペンスやアクションは現代からしたら未熟感あるものの夢がある感じ。
この映画、1963年12月アメリカ公開。
英国モノの007は第1作目が1962年10月イギリス公開、アメリカでは1963年5月公開。
この時代、今見たいに手軽に家でなんでもみられるわけではないですから、映画のいい時代だったんだろうなぁと。
フランスでは・・?
アメリカにはヘップバーンがいて、イギリスには007があって、フランスは?
BB、ブリジッド・バルドーがいるじゃないですか。
で、これは全くもって記憶がかけらもないゴダールの「軽蔑」をセレクト。
終始ワカラナイながら、ワカラナイのがフランス映画とも思いながら、ゴダールの世界に「付き合う」。(←巨匠に失礼)
後で見たら、この映画も1963年の暮れの公開。フランスとイタリアの合作ということですが、フランス色強し。
ヌーヴェルバーグのこの時代を学生時代追いかけて観ましたが、多分理解できていなかったろうな。
赤、青、黄色が印象的に使われる。
眼光鋭い人が出てきたと思ったら、サイレントからトーキー映画初期のドイツ映画の監督フリッツ・ラングが本人役で登場。
面白いのは、アメリカのヘップバーンはパリへ行き、フランスのBBはカプリへ行くんですよね。
イタリア人はさあどこへゆく???
何も考えずに次、つぎ、と手に取ったものの時代が近くて、自分で自分に驚きました。
手元にあったイタリア映画は「ボッカチオ’70」。
フェリーニ、ヴィスコンティ、デ・シーカなどの4人の監督が参加したもの。
この流れ、とっても高尚な感じで、ブログネタには悪くないと思うけど、少し観疲れたので、これはまたにしよう・・。
(竹田)