4代続く履物店(ご本人は「下駄屋」と言いますが)の店主、澤野由明さんの本が 9/21 発売となります。
ご存知の方は多いと思いますが、履物店でありながら JAZZレーベルでもある 澤野工房は、じわじわと人気を広げて 今では世界中にファンを持つまでに。
澤野さんに初めて会う人は皆一様に驚きます。JAZZレーベルを主催する敏腕プロデューサー澤野由明は、きっと怖いキレモノだという想像がそうさせるのでしょう。
澤野さんの柔らかい笑顔やお話ぶり、初めて会った気がしない懐かしさ「親戚のおっちゃん」の雰囲気が、そこにいる人々を包み込んでくれるのです。
自分の経験をお話しします。
数年前、仕事もそれ以外も何もかもがうまくいかず、半ば自暴自棄という期間がありました。
販売することが目的で扱っていた 澤野工房の CD は、特別な思いで聴くことはなく、販売する時に説明ができるように という理由で聴いていました。
毎日何も考えずに片っ端から 思い入れを持たず・・
気がつくと大好きになっていました。難しくなくてもいいんだ! 知識がなくても楽しいじゃん! 誰かにこの感覚を教えたい!
きっと音楽の楽しみ方はこういうところから広がっていくんだな。
だいぶ時間が経ってから初めて澤野さんにお会いした時、全ての作品に共通した空気を感じて納得したのでした。
悩める日々から抜け出せたのは、澤野さんのおかげなのだと、時々思い出します。
ディスクユニオンさん発売の「澤野工房物語」買いまーす。
(金野)
澤野さんがよく言う「耳を引っ張られる」経験をしたのがこの CD の 1曲目の Moon and Sand でした。残念ながら廃盤です。