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モノにはいろいろな名前がつけられております。
これらには、製作者、技術者、デザイナーなどの人々の思いや、成果、語呂、縁起などなどさまざまな観点から名前を考え、思いを乗せ、商品(製品)として、世の中に送り出していると思います。

オーディオで例えれば、JBLの「K2」「エヴェレスト66000」など世界最高峰のネーミングからつけられており、世界に誇れるスピーカーという意味が込められているのでしょう。
TANNOIは「スターリン」「ウエストミースター」など地名が多く取り入れられていますし、また、アンプジラはメーカー名が変わった名前で、アンプ界のゴジラ?という意味なのでしょうか。その中でも「スモウ」というユニークなネーミングのアンプがあったとも聞きました。

各製品でユニークな名前の付け方をするメーカーとしても言われている「LINN」。
チューナーの「PEKIN」(ペキン)。現行のパワーアンプに付けられている「CHAKRA」(チャクラ)。以前人気があったCDプレーヤーの「GENKI」(ゲンキ)。現行のシリーズでは「MAJIK」(マジック)。そして、LP12のカートリッジの「AKIVA」(アキーバ)などなど。
AKIVAは日本と関連が深いことからもあり「秋葉原」からとったとも言われております。

LINN PRODUCTSは世界50カ国ほどに製品を提供しておりますが、このユニークなネーミングは、いくつかの候補の中から、その全ての輸出国に問題のない名前を選び最終的に決めているそうです。
他国のユーザーさんも、一風変わった名前に戸惑いを感じながらも、製品をこよなく愛し、オーディオを楽しまれているのではないでしょうか。

皆さんご存知とは思いますが、LINN PRODUCTSが世界に向けて最初に発売したのが、ターンテーブル「SONDEK LP12」。このネーミングは意図も簡単。
12インチのLP再生機。
ところが、もう一つ、この「SONDEK LP12」には特別な意味でネーミングが付けられていたそうです。
LINN PRODUCTSが最初に造った製品が12インチ再生機。
LINN PRODUCTSの頭文字をとって「SONDEK L(LINN)P(PRODUCTS)12」にしたそうです。
1973年、最初に世に中に送り出した製品だからこそ、簡単なネーミングの中に、LINN PRODUCTSの思い入れ、創始者アイバー・ティーフェンブルソの情熱が詰まっていたのでしょう。

前にも挙げたLINN製品の名前の中で、よく目に留まるのがアルファベットの「K」。
英語の中で「Kは目立ちやすい」ということから、インパクト、文字のロゴなどを考え、全ての製品といっていいほどに用いられております。

しかしLINNが「K」を製品名に用いる理由がもう一つあったのです。
LINNのロゴマークを思い浮かべてください。
これは、1973年に発表されたSONDEK LP12の軸受けの部分を示したもの。
このロゴマークを時計回りに90℃回転させて見てみてください。
丸の中にある文字、何かアルファベットに見えてきませんか。
そうです「K」なのです。

LINN PRODUCTSの歴史が始まった製品。
「SONDEK LP12」。そのネーミング。ロゴマーク。ターンテーブル(回転)。製品の変わったネーミング。Kが多くの製品の名前に用いられる理由。
製品の名前の由来をたどっていくと、歴史、思い、情熱、関わった人々などなど、奥深いモノを垣間見た気がしました。

(三浦)

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