お昼に出ようと並木通りへ降りたら、「あ。秋・・」。
先日から涼しい日はありましたが、急に秋がやってきました。
秋と言うと、聴きたいものも夏とは赴きが変わります。
なんとなくシャンソン、それからクラシックのオーケストラなら2楽章とか、Adagioとか。
越路吹雪の歌うシャンソン、「ラストダンスは私に」とか「恋は何の役に立つの」なんて、曲調は明るいけれども、歌詞がしんみりして、また歌い方にドラマがある…ドラマという言葉は大袈裟すぎますが、歌心があって、詩的。
歌というのは、4分とか5分とかで、歌の主人公の人生を感じたり、それに自分を重ねたりできる、最高に短くて深いエンターテインメント。、、、エンターテインメントという言葉も嫌ですけれども。
越路吹雪のシャンソンは、昨日までの夏の明るさを背中に、秋のとば口にいるような気持ちにピッタリです。
今日いらした若いお客さまが、「昨日初めて見たニューシネマパラダイスがとても良くて、その音楽を聴きたい」とおっしゃって、その糸の端にスルスルと引かれて、聴きたくなったのが映画「いつかどこかで」で使われる「Rhapsody on a Theme of Paganini」とか「セントオブウーマン」で使われたタンゴの曲「首の差は」。これもしみじみする。
クラシックはバッハの響きが気持ちいい。カンタータ、オルガン、ヴァイオリン、その中にドヴォルザークの「森の静寂(しじま)」いつの間にか忍び寄る秋を感じます。
セゴビアのギターにレイ・ブライアントのピアノで「グリーン・スリーブス」物悲しさを秋の枯葉に投影するように。
Davone TwistとOCTAVE V40SEで。
このTwistは、別注で、カシミアを纏っています。秋だなぁ。
帰る頃、日も暮れて三洲屋の看板がまた哀愁漂わせ。
日本人にとって、春と秋は音楽的な季節の気がします。
(竹田)