令和になって一つ始めたこと。
毎日10分クロッキー。
クッキングじゃないですヨ。クロッキー。
10分だけ集中して、鉛筆持って何かを描きます。
雑誌の人物とか、自分の手とか顔とか、その辺にあるグラスとか鍵とか、飽きたらインド更紗の端切れの模様とか。
まだ一か月にもなりませんが、これが意外と苦戦。絵を描くのは好きだと思っていたけれど、10分でもとても億劫だったりする。絵描きという職業はすごいものなんだと改めて思います。
今年は素晴らしい展覧会が豊富で、人が少なさそうな時間帯や日を選んで、雨が降りそうだから、よし今だ!みたいに出かけると、それがなかなか成功していて、ゆっくり絵を見ています。
見るにつけ、どうしたらこんな風にと溜息。こんなすごい絵を前にして、私などが描く意味があるのだろうか、とも思う。最初は、なかなか描けるじゃん、と楽しかったのが、だんだんと、自分が描いても結局つまらないものしか描けないことが苦痛になってきて…。
音楽の話。
インターネットによってほとんどのものがアーカイブされ、自宅でも相当なレベルで再生ができて、かつての名演奏と最新録音が横並びになったとき、今演じることに意味があるか、という問い、もしくはそれに近い内容を店頭でしばしば耳にすることがあります。
本当にどうなんだろう。
でもそれは続けている人しかきっと答えられないので、10分クロッキーを続けてみようと思います。
などと言って、来月辞めてたら大笑いですが。
いつか、確固とした意思のある線を、いびつでも見たままでなくてもいいから、描けるようになりたいというのが今の目標。
LP12だって、46年間ずっと休みなく周り続けているからこそ今のLP12があるわけで。
(もともと、「静かな回転」という絶大な強み、大いなる才能を持って生まれたLP12と比べても仕方ないけれど)
(竹田)