今月末のイベントで使用するWestrexについて、詳しい人から教えて頂いた内容をアップします!
1950年代後半に発売された、Westrex London のHiFiスピーカーシステム。
当時同じ英国内でTANNOY Autographより1ポンド高かったため、ほとんど売れないまま、エンジニアや映画館関係者が格安で引き取ったというのが真相だとか。(これは英国のコレクターからの情報だそうです!!)
オートグラフのキャビネットの凝った作りに対して、Acoustilensはバスレフの ‘がらんどう’ であったため人気が出なかった模様。
このスピーカー、弊店でも1度きりですが組んだことがあります。(下の写真は5丁目時代の6F試聴室)
あの、出た瞬間音が消えるようなスピード、切れ味、
色濃い存在感なのに風のように軽く鳴る・・その懐の深さ・・
未だにWestrexで聴いたドラムの音は忘れられず、私の中では1つの指標になっている次第です。
そんな当時の英国の国力を垣間見る素晴らしいスピーカーですが、上記のような事情もあり、これが、本当に、滅多にお目にかかることはありません。
その道の人の話では「Westrexの業務用より市場に出回っている数は少なく、日本国内で確認できているStereo pairは、3セット程度を把握しているが、Hornだけなら、十数セット存在している模様。」とのこと。
低域には15インチの2080B(ラウンドマグネットタイプ)が、
「Acoustilens 20/80 LF UNIT 」という名称で、
高域には2090B(これもラウンドマグネットタイプ)コンプレッションドライバーが、「Acoustilens 20/80 HF UNIT」という名称で、それぞれ搭載されています。
ただ、後年音の好みによって、ピン角タイプに組み換えてあるシステムも。
音響レンズ付きホーンにもAcoustilens 20/80 HF UNITというドライバーと同じラベルが貼られている。この音響レンズ付きHornは、通常の短いストレートホーンのクセを取るためにHornの中に音響レンズを組み入れるという画期的なもので、カブトムシの背中を思わせるような突起が特徴です。
システムは、2ウェイ構成で、クロスオーバー周波数は675Hz、
クロスオーバーネットワークは、32271-Aというシングルwooferタイプのもので、
後年、コストダウンのために、より小型のネットワークも存在するのだとか。
今月末開催の「名盤深聴」イベントでは、ここで触れたウーファー20/80LFをALTECの箱に入れて使用します!ホーン、ドライバーも同Westrexのもの。
是非お楽しみに!!!
(竹田)