映画「ゴッド・ファーザー」のPart3の最後のシーン、マイケルを狙った銃弾が娘メアリーを撃つところから、映画の終わりのマイケルの死まで、切々と流れるあの曲。
マスカーニのオペラ「カバレリア・ルスティカーナ」の間奏曲です。
とっても美しい曲ですが、オペラの筋は結構人間関係がドロドロした内容。
1890年初演で話の舞台も1890年なので現代劇の感覚だったのでしょうか。
この間奏曲は、事態が悲劇への階段を上り詰め、事件が起こる前に流れます。
まさに、映画も同様で、Part1から2,3のこれまでのストーリー全てが、この悲劇へ向かっていたと言わんばかりのラストの1曲。
これを映像なしでオーディオシステムで聴いてみると・・・
映像で流れる以上に、マイケルの人生が走馬灯のように駆け抜け、どこで間違ってしまったのか、どうすればよかったのか、「なぜ」という神への抗議と、それに対しての自戒、守れなかったものへの悔恨、やるせなさ、深い哀しみ、大切なものを失った空虚さ、など言葉では追いつかないほど沢山の思いが胸に浮かび、泣きたいけれど悲痛すぎて泣けない、何とも言えない気持ちになります。
名作には、音楽の力も大きく関わっているモノが多いので、映画をじっくり味わったら、音楽で更に深く映画を味わう・・・というのもよろしいのではないかと。
Legatoでは、この2枚。
グラモフォン盤は、シノーポリの指揮で1989年録音。こちらのトゥリッドゥはドミンゴ。
Legato2Fでこの盤を聴きましたら、部屋一杯に・・・というか、部屋という感覚がなくなるくらい壁もなにも取り払われて、上に書いたようなことを感じました。
あとあと調べたら、ロンドンのオール・セインツ教会というところでの録音で、割と響きが多いようなのですが、うまく鳴らせたら素晴らしい演奏!
何のスピーカーで聴いたかは、また今度・・・。