2,3か月前のこと。
「アバドを偲んで、アバド好きの友人たちと集まるんだが、食事しながら音楽談義をしようということになって」
と、ご相談頂きました。
アバドはイタリア人で、イタリア料理はたくさんあるけど、アバドが食べていたようなものを食べたい。
何かレストランを知らないか?とのこと。
今年1月20日に惜しまれ逝去した指揮者アバドは、ミラノに生まれ、ボローニャで亡くなりました。
どんな食べ物が好きだったかを調べるに至らなかったですが、「ボローニャ」というキーワードでお店を探すことにしました。
ところが、ボローニャ料理を食べられる店という縛りでは、店は意外とない!
ボローニャ料理というと、ボロネーゼと言われる、いわゆるミートソースのスパゲティやラザニア、豚のゼリー寄せのような加工物、ボローニャソーセージ、モルタデッラなどのハム類、パルマが近いのでパルマ産チーズなど。素人の認識でそのくらい。
ごく普通に食べているであろうということでお店を探すことにしました。
・・・しかし、そうして考えてみると、昔の人がどんなものを食べていたか、アーティストや偉人達が何が好物だったかって気になります。
先日は本屋で江戸時代の浮世絵で見る江戸の食卓なる本が並んでいるのを見ましたが、お客さまから教えて頂いたのには、料理研究家が音楽家のアーティストに出したい料理のレシピ本なども出ているそうで、食は想像力も刺激するもののよう。
池波正太郎の鬼平犯科帳でも食べ物の描写がよくありますし、宮崎駿のジブリ映画ではごく普通のものを美味しそうに描きます。
つい先日は、ゴッドファーザー パート3に出てくる「カンノーリ」というシチリアのお菓子を見つけて、ゴッドファザーを思いながら食べました。毒は入っていなかったけれど。
カンノーリを食べるドン・アルトベッロ
誰かの好物や、映画で食べていたもの、昔の人がよく食べたもの、そういうので追体験すると、親近感がわいて理解が深まるような気になります。
冒頭のイタリアンは、結局ボローニャ料理店は探せず、時々行く素朴な味のイタリアンレストランにお願いして、美味しいものを出してもらうことにしました。
何を召し上がったかはわからないのですが、大変好評で、もしかしたらアバドも天国から「自分も食べたい」と覗きに来ていたかも知れませんね!
人形町イタリアン Ci Vediamoは、こじんまりしたお店ですが中々です。
Osteria Ci Vediamo
03-6661-7477
中央区日本橋蛎殻町2-7-8
Legato EYES