ダイナミックバランス型トーンアームのLINN EKOS(エコス)は、名機としてロングセールスを続けるSONDEK LP12 の最上位モデルで、リリースされたのが1988年です。
数回の改良は施されながらも、19年間 抜群のトレース能力と、圧倒的な静けさは、他の追随を許しませんでした。
EKOS(フランス語で”ecosse”:スコットランドの意)というネーミングからも、このトーンアームに対する思い入れが想像できます。
数年前、グラスゴーのLINN工場へ見学で訪れたとき、
チーフエンジニアから何気なく手渡されたのが、EKOS の”アームパイプ”でした。手に持っているのかどうかがわからないくらいの軽さで、今にも潰れてしまいそうな薄い金属パイプ。
手渡されてすぐには EKOS のそれとは全く気がつかず、写真のヘッドシェル部分を見せられてはじめて「あっ、EKOSのアームパイプ!」という具合でした。
「これを素手で曲げることが出来たら、欲しいものを何でも3つプレゼントする」と言われ、腕の筋がおかしくなるまでアームパイプと格闘したことを思い出します。
アームパイプはビクともせず、ただただ軽く、ただただまっすぐのままでした。・・・
どこまでも深く音楽の深層まで迫るEKOSは、LP12の最終完成に欠かせない超高性能トーンアームでしたが、残念ながらこの2月いっぱいで生産を完了することが決まりました。
今月いっぱいはEKOSのご注文を承ります。
最後のEKOSでアナログの深みに足を突っ込んでみませんか?!
同時にLINN は、LP12関連の新製品リリースも発表しております。
詳細は近日中にお知らせいたしますので、こちらもご期待下さい。
(金野)