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「しょーわ しょわしょわしょわしょわ しょーわ!」と始まるクレイジーケンバンドの「昭和レジデンス」という歌があります。
私は、昭和的な感じのする「いいな」と思うものに出会うと、ついこの調子のいい歌が頭に浮かんでしまいます。
曲の感じは全然昭和ではないんですけれど・・・。

ここ1週間実家に帰ることが多く、行き帰りの電車で本を読める時間が出来ました。
そうは言っても乗り継ぎしたりで落ち着かないので、大抵短編集だったりエッセイだったり。
とりあえずその辺に置いてあるのを鞄に入れて出勤。
で、たまたま手にしたのが藤沢周平、向田邦子と続きました。

普段からそう読む方ではないのですが(なんせ読むの遅くて)、どちらかというと今活躍している人の本を手にすることが多かった今日この頃。

・・・なんだか最初はちょっと違和感がありました。
色々な表現や遠回しな比喩がふんだんに使われたものばかり読んでいたところから藤沢周平と進むと、文章がすごくシンプルで読み易すぎるようにさえ感じました。
そのうち、その淡々としたような中に世界は拡がり、それぞれの人生が浮き彫りになっていきます。
時代小説ですし、現代が舞台となったものと表現も言葉も異なって当然・・・なのですが。時代小説だけど、書かれたのは昭和・・・。

そこで、最近の作家ものを読もうとしたらなんだか読みづらく、向田邦子を久々に手に取ってみたのでした。
中学生以来・・・かもしれません。
当時はまだ平成になりたてで、昭和の名残があったからか単に読みやすいから読んでいました、
久々に開いたら読みやすいこと!だけど使っている言い回し、言葉がいいな、と。
「美しいセンテンス」とかではなくて、なんだか生々しい。
皺があるけど使い込んだ「母」の手、と言うような感じの手触りで、昭和が薫ります。

エッセイの一つの中に、「言葉のお洒落」というのがありました。
言葉をおしゃれするのは、お金もかからないし誰でもいつからでも出来ること、というような内容だったでしょうか。
気取った言葉を使え、上品に話しなさい、というのではなくて、普段から使う言い回しや使う言葉を選んでみれば、ということなのだと思います。おしゃれは人それぞれのもので、それは「スタイル」なのだと思います。(以前観た映画の中でココ・シャネルのセリフにもあったような。)オーディオも同じかもしれません。その人それぞれの「スタイル」。

しかし・・・もう平成になって20年も経ちました。
自分の人生の昭和の部分は約3分の1に。だから余計にこだわってしまうのかもしれません。

今日も街中で、ちょっと佇まいのいい喫茶店やお店を見かければ、クレイジーケンバンドの「しょーわ しょわしょわしょわしょわ・・・」が頭に流れるのでした。
(竹田)

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