耳にしたことのないピアニストでしたが、何となく行ってみることにしたコンサート。
曲目がベートーヴェンの月光や30番、ショパンのバラードに葬送と並べば、楽しめるでしょうということで。
初めが月光。
実は、ピアノ・ソナタのコンサートはあまり行っていないので、どの曲も慣れ親しんでいる割には生で聴くのは初めて。
で、も、オーディオではよくきいています。
で、「月光」です。
期待以上というわけにはいかなく、知らないピアニストだから仕方ないか、こんなもんか、と思ってぼんやり聴いていました。
ちょっと打鍵が強過ぎるのかなぁ。30番になって少しリラックスした感じが出ましたが、響きが多いなぁ、自分は誰のピアノが好みかなぁなどと、思いを巡らしていました。
休憩挟んで後半。
ショパンのバラード2番。前半と変わって、響きをしっかりコントロールしていて、ピントがあってきた感じです。
バラード4番、素晴らしい。グンといい。ピアノ1台の響きがハートを動かします。
観客の拍手に熱がこもってきました。
そして、ピアノ・ソナタ第2番「葬送」。
完全に響きは彼の手中にあって、多彩な音が眼前で弾け、消えては浮かび、浮かんでは消え。
あぁ、今日の演奏は録音されてないんだな。今しかないんだな。
これをどうやったら耳に残せるかな。
初めから最後まで引き込まれる素晴らしい演奏でした。
しかもこの後にアンコールを4曲も!
まだ30歳くらいの年若いピアニスト。
毎日異なる場所での演奏で、ホールの響きも違うでしょう。
2時間程の短い間に、ぐーーーーーっと尻上がりによくなった理由は推測はしてみても本当のところはわかりませんが、とにかく彼の名はしっかり頭に刻まれました。
またどこかで聴きたい!