昼時、何気なくDSに入れた1曲。
ヴィヴァルディ「四季」の冬の2楽章Largo。
ムターの演奏がことのはじまり。
店のNASには、このアルバム中Largo1曲しか入っていなかったので、おもむろにキョン・ファのアルバムから同じ曲を入れてみました。
かけてびっくり。
演奏が違いすぎる程違うので、「なにこれ編曲!?」と思わず止めてしまいました。
クラシック音楽、演奏の違いがあるのはもちろん分かっているつもりでしたが、なんだか同じ曲に思えないくらい。
その反応に、Legatoお馴染みスタッフFさんの音楽講座が始まりました。
無知を披露することに抵抗がないわけではないですが、仕方ない。
「知っている」と思っていたことは時に「全然知らなかった」ものだったりします。
今日のヴィヴァルディの「四季」がいい例で、耳慣れていたし、ヴァイオリン協奏曲だということは知っていましたが、そんなに大人数でなくても演奏できることは今日知りました。
この曲は「合奏協奏曲」で、大体10人も居れば演奏できる。
キョン・ファのアルバムにも「st.Luke’s Chamber Ensemble 」とありますが、オーケストラ程大きくないということですね。
バンドみたいなもの?
それから、この時代のものは、後のロマン派、マーラーなどと異なり、楽譜に細かい指示はないのだそうです。
テンポに関する目安としての指示と、合奏のための大まかなスコアがあったとして、通奏低音は大まかに書かれているそうです。
だから、旋律線はあっても、細かく決められていないので、リピートされる時に思い切って装飾したり、アレンジを変えたりして、即興的に演奏することができるのだとか。
まるでJAZZ!
ちなみに、テンポだって当時はメトロノームのない時代。’Andante'(歩くような早さで)とか’Largo'(ゆったり)とか、目安のガイドラインとしての音楽用語は、こんな感じで始まっていたわけですね。
そんなこんなですから、まるで違う曲のように聴こえて当然。
テンポだけ見ても、ムターの盤は2分49秒でしたが、他に聴いたピノックの合奏団の演奏なんて、1分59秒。
1分近く違うのです。
この他Legatoにあった盤は、「i Musici」のが2枚。
コンサート・マスターが、アーヨの盤と、アッカルドの盤。
これまた面白いのが、同じ合奏団でも、コンサート・マスターが違えばまた全然演奏が変わる。
どれがいい・悪いではなくて、人それぞれと同じように演奏それぞれ。
「これでないと」という枠をごっそり外してしまえば、こんなものも。
日本人のグループAuraで、同じ曲をボーカル・アンサンブルへ編曲していたり、
いや、楽しみです、実際。