もうすぐ5月、ゴールデンウィーク。
5月と言えば、薔薇の美しい季節。
バラ・・Roseって、結構色々な歌のタイトルや主題になっていますよね。
ゲーテの詩を歌曲にしたシューベルトの「野ばら」は、まさに「まんま」です。
日本語でも「童は見たり・・・」と有名な曲ですが、
テノール歌手のヴンダーリッヒの軽やかに歌うのが素敵です。
展覧会などで画家の素描を見て
「この人すっごいうまいんだわ!」
と改めて驚くことがありますが、
子どもの頃からよく知っている曲をこうして聞くと、
シューベルトが、歌にしたくなったのもわかるよう。
韻が気持ちよくてなんどもリピート再生してしまう。
人間の美に対する欲深さと残酷さ、
そういう詩(うた)の背景で、楽しげに軽やかに弾むピアノの音色が、
「ああ綺麗なうた」と聞く私をまた楽しませる。
近藤朔風のつけた日本語の詩もとっても美しい言葉で、意味もよくわからず呪文のように歌っていたけど、
よくよく詩の意味を知れば、快楽の中に死が潜んでいる。
簡単にやさしく聞こえることの中に真意を潜ませて、
それを気づかせずに楽しませてしまうって、ゲーテもシューベルトも近藤朔風も、結構サディスティックです。
(気づいていないのわたしだけ?)
短い歌の中で、ヴンダーリッヒが、手折られた薔薇を悼むように
Röslein, Röslein, Röslein rot,と、1つ1つ言葉を置くように歌って、
最後に軽やかにRöslein auf der Heidenと終わらせるのが
「仕方ないね。美しさは罪」
と言っている感じで、ちょっと笑ってしまいます。
シューベルトの「美しき水車小屋の娘」が収録されたこのCDに
「ます」「春の想い」と一緒に「野ばら」が収められています。
今日は「薔薇」のうたシリーズで何曲かご紹介しようと思ったのに、
1曲で終わってしまった!
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