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弊店のTV周り、セッティングに割と時間がかかります。
下りている梁のせいか、左右の環境の違いか、TVのせいか、ボーカルの定位をびしっと決めるのに、
他の部屋よりもちょっと悩みます。

昨日、セッティングしながらこの環境とにらめっこしていまして、
そういえば・・・とTV上のはめ込み窓に注目してみました。

だいぶ前に、スピーカーの内部吸音に使う吸音材を角のほうに置いてみたりしていたのですが、
ちょっと見直してみた。

この窓枠が壁より1㎝程張り出しています。
どうも右チャンネルの低域にモヤモヤがあって、それでボーカルが落ち着かないので、この木枠の出っ張りに薄い人工スエードを貼ってみました。

あら、あらあらあらあら。
なかなか良い。かなりモヤが取れた!

上の写真で見ていただけるかと思いますが、窓枠の右外側は右の柱と割合近く、またスピーカーの音圧を、この角が直に受けるので、左チャンネルの開放的な環境に比べて色々吸音などを施してはいたのですが、こんな小さな張り出しでも壁との間でレゾナンス作っていたのですね〜。まぁ、スピーカーの真後ろですし、TVもありますから。

気を良くして、窓枠徹底的にやろうと窓枠の上側全面に貼ったら音圧が下がりました。

同じボリュームで聞いて音圧が下がるのは、調整的には間違い方向なので、辞めます。ただ良いところもあるので、梁が斜めに降りているところだけ貼ってみます。音圧が戻ってきました。(他の吸音施した上で、最終的には端から10センチくらいのみでおちつく)

窓枠の外側でこれだけ効くなら、当然内側の囲われている部分はもっと影響があるでしょう。

スピーカー左右の音圧がテレビの裏でぶつかっているのですから。

この窓枠には上下に1㎝くらいの溝があります。この角と中心から始めてみました。

自分で論理立てて、推理しながらやっていくのは嫌いではないので、時間があればいつまででもできるのですが、書くと膨大になるので端折りますが、結果的には

スピーカーの中心に当たる部分が一番長くて10センチ弱。(写真でいうと猿の下あたり)

そこから一定の距離をあけた左右シンメトリーな位置にまた10センチ弱を。それは、溝の中でなくちょっと上がった窓との境目に。さらに一定距離をあけた、今度は上側の溝に5センチ弱の人工スエードを。した写真。


すると、滲みがなくなり、ボーカルもピタっと中央に。

スピーカー周りって音圧が高く、TV周りの相まって結構小さなところでも影響があるもの。

吸音によいのは、フェルトや人工スエードなど。しかもほんの少しで充分。

そして、ちょっとホールでも設計する気持ちで、吸音の段差をつけたり、量を外に向かうに従って小さくしていくなども技ありです。

ちなみに今回は、Radioheadのkid a、シナトラのnice’n easy、ドゥダメル指揮のベルリンフィルのベルリオーズで大まかに調整し、良くなってきたら曲を増やしました。

(竹田)

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