
LINN SELEKT DSMに搭載できるHDMIモジュール。
SELEKT DSMには標準の仕様で、HDMI ARC端子が1つあり、TVのHDMI ARCと接続すれば、TVに繋がっている他の機器は全て再生ができます。
ただし。DTS、Dolby Digitalなど様々なフォーマットに対応するSurround Processing Moduleを載せる場合は、このHDMIモジュールが必要になります。
・・・そのくらいのことと思っていたのですが、
今回、ちょっと目からうろこ。
MAJIK DSMが5へと新しくなり、HDMI入力がARC端子のみになったのですが、これはeARCに対応。
SELEKTの標準搭載のHDMI ARCは、ARC ONLYとなります。
話を簡単にすると、
ラインアップ的には
MAJIK DSM5よりSELEKT DSMのほうが上位モデルなのですが、
標準搭載のHDMI ARCに関しては、DSM5のほうが上なのです。
eARC(Enhanced Audio Return Channel)は、ARCの拡張版でより高音質な伝送をする・・というもの。
そこで、話を戻すとSELEKT DSMのモジュールですが、この別売のモジュールのHDMI ARCは、eARCになるのです。
(加えて、4つのHDMI入力)
TVの音がオーディオから出るだけで音に大満足していた私が、ちょっと、いやかなり見落としていた部分だったのですが、このARCとeARCの差は結構大きい。
・・というのも、今回MAJIK DSM5にするか、SELEKT DSMにするか・・とご検討されていたお客様が、とりわけ映画がお好きで、音楽もさることながら、折角サイズ・クオリティアップしたTVに合わせて、映画の音を良くするためにシステムをご検討ということでご来店されていたのですが、その折のMAJIK5/ SELEKT比較試聴で、
「映画の音楽部分はSELEKTのほうがいいんですが、効果音はMAJIKのほうがいいんですよね。やっぱりeARCに対応してないからですね・・。」
先のことを考えるとSELEKT・・とも思うのですが、MAJIKも十分にいいので、HDMIモジュール入れての比較がしたい。
・・そういうお話をいただき、急遽
MAJIK DSM5/SELEKT DSM CKA★/SELEKT DSM CKA+HDMI
のご比較ができるよう機材を揃えたのでした。
★のみARC ONLY
お持ちになられたのは、「TOPGUN Maverick」。
戦闘機で、超険しい渓谷を、超低空&超高速で飛行しながら、敵の攻撃を受けるシーン。
この辺りは、基本効果音がメイン。
それから最後のシーンのマーヴェリックと亡き友人の息子ルースターが襲撃され、終わりかも・・というところを危機一髪仲間が助けてくれ、空母に戻れる、背後でテーマ曲が流れ始めるシーン
この2つのシーンで、その3機種を比較すると、
MAJIK DSM5のメリハリの効いた音が効果音の部分では、わかりやすくワクワク感があり、セリフも中域によって明瞭度がある。
ARC ONLYだと、MAJIKとSELEKTの音質差よりも、その eARCとの差が大きく出てしまう。
モジュール追加してeARCにしたSELEKT DSMだと、セリフはややMAJIKのほうが聴き取りやすい感じもあり、効果音についてもMAJIKのほうがメリハリの「ドンパチ」感がありますが、情報量が全体的に増えているため、音場に広さが出て、リスニングポイントまで迫ってくる。
画面で起こっている景色のスケール感が大きくなり、音像に奥行きが出てくる。それによって、物語の奥行き、登場人物の心情などがストレートに伝わってくる。簡単に言うと、ジーンとする。
そんな違いがありました。
これは好きな映画を観た時の感じ方が大きく変わってくる。
結局、音楽も映画も一緒だな・・と、極めて強く思いました。
超勉強になったし、今まで不勉強でしたゴメンナサイ。
(竹田)