
普通のお宅ではあまり起こることではないのですが、今週サウンドクリエイト的には大きな発見があり、皆心が穏やか。
店頭にはこのようにたくさんんのスピーカーを置いています。
アンプに接続され、音が出るのはこのうち2機種のみ。
もちろん接続変更すればすぐに鳴ります。
スタンバイ中のスピーカーたちは、「ショート」しています。
スピーカー端子のプラスとマイナスを線で繋いで「ショート」させているのですが、これには意味があって、ショートせずにフリーにしていると、繋がっていなくてもスピーカーユニットが動いて、今再生中の音を吸ってしまうんです。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、もし、店内のスピーカーが皆ショートされないまま置いてあったら、再生中のスピーカーから出る音が、実際の実力よりも迫力とか低域とかが1割減とかそんなくらいにご理解いただければと思います。
(1割というのはあくまで例えです)
ちなみに、スピーカーを移動したり輸送したりする際も、できるだけ「ショート」したほうがよいです。
スピーカーユニットが動かないようにするためです。
ヴィンテージスピーカーなどは特にこれが重要で、12インチや15インチなど大きいユニットは、輸送中に動いて歪むようになってしまった‥というようなことがあります。
スピーカーケーブルの切れ端で良いので、お引越しの際などは必ずショートして下さいね。
さて、話が脱線しました。
今日の話題は、その「ショート」に落とし穴があったのでした。
(と言っても、ご自宅で起こりうることではないので、ご安心ください)
ここで思い出したいのが、スピーカーから音が出る基本的な構造。
ボイスコイルに電流が流れ、マグネットと反応して振動が生まれ、それがコーン紙を振動させ、それが空気に振動を伝え音が出ます。
(上の図は、マグネットを省いています。大体コイルの周りにマグネットがあります)
それでです。
「ショート」したものは、ユニットの動きを止めているのですが、近くで大型のスピーカーなどが鳴っているということは、その振動はコーン紙に伝わって、止めているとはいえ多少は振動を受けて動いているんですね。
それが今度ボイスコイルに戻っていく。そしたら、ショートしているから逃げ場がない。
「う~~~~~~ん」という感じで溜まっていくわけです。
それが長時間、ずっと溜まっていくと、爆発はしませんが、磁界を帯びてきます。
コイルはマグネットで囲われているので。
そうすると最初の写真にあったスピーカーたち皆磁界を帯びているとなると、どうなると思いますか?
再生中のスピーカーの音が悪くなるんです!
磁界だらけの中でスピーカーを鳴らしていることになるので。
解決法は単純なこと。ただ、スピーカーのショートを外して帰って、朝また付ける。でした。
店頭でセッティングしていると、さっきまでよかったのに、急にお昼ごろ悪くなることがよくありました。
なんやかんややっているうちに、復旧するのですが、明確な「これが悪かった」というのがイマイチわからないままでした。
モノが多いので仕方ないとはいえ、手がかかる・・というか、原因がわからずしょっちゅう店内パトロールが必要でしたが、このことがわかってから、今週は崩れ知らず。
オーディオの音が悪くなる時、良くなる時は、決してオカルト話でないということの証明で、絶対に原因があるということ。
お家で何かどうもすっきりしない・・という時は、絶対に体調のせいではなくて、電機的に何か起きているのです。
そんな時は是非、弊店の「電源とアース」ページをご覧くださいませ!
(竹田)