先日(3月8日)の続きです。
シルク・ドゥ・ソレイユ「DRARION(ドラリオン)」。
東洋を代表する龍(DRAGON:ドラゴン)と西洋を代表する獅子(LION:ライオン)の融合からなる「DRARION」。
人類と自然の共存を求める東洋哲学からインスピレーションを受け生み出された。
「DRARION」は、生命と自然界の秩序を保つ4つの力があり「空」「水」「火」「土」の4つの要素がショーの重要なキーワードとなっています。
さて、入場口から場内に入り、会場を見渡し席に着く。
そこから、このエンターテイメントは開演を待たずに、ショーがスタートしておりました。
ショーが始まる前に、観客を退屈させないように登場するのが(決して前座ではありません)おかしな3人組、クラウン。
太った大男に、小さい気弱な男、ボーリングボールが指から離れず困ったままの男。
この3人が、場内の観客にイタズラをしたり、観客を席まで案内したり、面白おかしくて観客の視線を釘付けに。
この3人を見ているだけでも退屈はしません。
やがて、アナウンスが流れいよいよ開演へ。
そこで、クラウンが場内の男性をステージに引きずり上げます。
この男性に、イタズラをしながら、開演中の注意事項を読ませます。
読み終えるとクラウンのイタズラ癖が・・・・・
その男性の財布を取上げ、バックステージ内へ消えていってしまったのです。
その後を自分の財布を取り返すべく後を追う男性。
観客の笑いが残る中、照明が暗くなり、バックバンドの演奏が始まります。
いよいよショーの始まりです。
選ばれし子供「リトルブッタ」が砂時計を持って登場。
華やかな演奏とともに、数々のキャラクターが登場してきました。
まず、フット・ジャグリングという演目で、女性が両足を器用に使い、中国傘を自由自在
に操ります。黄緑色で何とも幻想的な色使いが優雅で美しく、足のみだけで行われる技に見とれてしまいました。
フット・ジャグリングから始まり、バンブー・ポールズ、エアリアル・フープ、ジャグリングなどなど多彩な演技で完全にDRALIONに飲み込まれてしまいました。
演目のなかで圧巻だったのがトランポリン。
トランポリンはサーカスの枠、エンターテイメントの枠を超え、人間の能力(肉体的にも)を超え、限界ぎりぎりの演技をトランポリンニスト達が意図も簡単に行っております。
正に「人間業を超えた瞬間!」を見た気がしました。
今までにアクション映画でしか見たこともないようなシーンの連発に「あの人?達はスパイダーマン?」とさえ思ってしまいました。
そして、もう一つ、驚いたことに生バンドが入っていたことです。
彼らは歌、演技にあわせ、時に穏やかに美しく、時に激しく情熱的に7人のミュージシャンたちが「DRALION」の世界を盛り上げているのです。
息の合った演奏を聴くだけでも「価値があり!」。
その後も迫力のある演技、華麗なる演技、笑いのある演技に時間のたつのさえ忘れて、「DRALION」に吸い込まれどうしようもなくなってしまいました。
演出、アーティスト、ミュージシャン、スタッフ、全ての人の息がピッタリではないと
こんなことが出来ないはず。どれだけの練習をしているのだろうと、不思議な気持ちにもなってしまいました。
後で知ったのですが、演目の順番は当日開演一時間前に、アーティストの体調などを見て決めるそうです。
それであの動きが出来るとは、本当に不思議なものです。
「DRALION」を見終わった私は、ただただ「感動」としか表現が出来ないほどでした。あまりの楽しさと、何ともいえない緊張感、そして自分が少年時代に戻ってしまったかのような錯覚にまで落ち、本当に幸せな気持ちになりました。
音楽とは、また違った楽しみ、感動を覚えました。
次回、シルク・ドゥ・ソレイユはどんなエンターテイメントを披露してくれるか、今からとても楽しみです。
(三浦)