「WEBで見たのだけど、ランサー(JBL Lancer101)はまだある?」
という1本の電話。
売れてしまってる〜。折角のお問い合わせなのに・・・。
でも諦めのつかない私は
「JBLのヴィンテージスピーカーをお探しですか?」
と聞いてみる。
すると・・・「まあBARON(バロン)とかあれば本当はいいんだけれど」・・・。
ここのところ滅多に入ってこなくなってしまったJBL C38 BARON。
4、5年前、ヴィンテージスピーカーとDSやOCTAVEのアンプを合わせるという新旧融合の面白さをサウンドクリエイトがやっているよ!というある種の広告塔になってくれたスピーカーの1つ。
BARONのたたずまいの良さや、そのサイズ感が、気軽で親しみやすく、ヴィンテージスピーカーの敷居の高さを少し下げてくれたのは確かでした。
功を奏してヴィンテージスピーカー弊店でも定着しましたが、それと反比例するかのように手に入らなくなったBARON。
なので、今回の入荷はレアもレア。
しかも初期型の極上品とあっては、ネット社会で世間も狭くなった世の中でさえ、・・というか、だからこそ絶対に「超レア、超希少品」と言い切れます。
お客様は、実はBARONを会社のスペースでも1セットお使いになられているとか。
それは会社のスタッフの方が「格好いいから」と引き寄せたものだったそうで、だからかこの初期型の佇まいや音を大変気に入ってくださり、ご試聴されたその日に即決。
何のアンプで鳴らすとかは、後回しにしたとしても、とにかくスピーカーはこれでとの事でした。
その後、別荘のシステムなので、とりあえずといった感じで、便利そうなLINN MAJIK DSMを選択。
まずはNASも使わずに音楽配信サービスでお楽しみになられるとの事。
そうです。
音楽配信サービスのTIDALとかSpotifyとかにプラグインできるため、DSは、NASなしでセッティングしようとすると、ルーターからLANケーブルで1本繋いで、あとは各サービスのアカウントを取得するだけ。
信じられないくらい簡単で、すぐに音が出ます。
この日もあまりにすぐに音が出たため、「え!?もう!?これBARONから!?」と驚きのお客様。
スピーカーのセッティングをしても、あまりに早く調整が終わってしまったので、
まあまあ掛けて・・と、珈琲を淹れてくださいました。
気持ちよく音が空間で響いて、こちらも安心。
お客様もリラックスモードで、問わず語りで話してくださったのは・・・
自分の10くらい上の先輩達は、カメラ、ぜんまい時計、そしてオーディオにみんな狂って居た。
自分もカメラと時計は凝ったけれど、オーディオは桁が違うから絶対に手を出さなかったんですよ。
友達が「いいから。絶対楽しいから」と言ってきても、いやいやいやいや、と遠目にしてきた世界。
でも、自分とほぼ同じ年のこの家に出会って、なるべくこの愛すべき経年を生かした形でリフォームしたいと思った。
それが形になっていく中で、外の緑を眺めながら「絶対音欲しい」と思ったんですよね。
でも、この家に新しいものっていう感じじゃなかったし、BARONかLancerかと思って居たら縁があった。
それでも、LINNのDSを入れるのは、ちょっと新しいものが入りすぎるかなという懸念もあった。
けれど、自分はただただ旧いだけがいいというわけでもない。
思い切って、このDSM入れて、この音!!!
これにしてよかった〜
スピーカーも家もお客様もほぼ同世代。
そして、今を生きてるって素晴らしくない!?
だから、何が何でもオーディオは「今」が楽しいとおもうのです。
「お酒が進んじゃうな・・
これ可愛がれそうです。」
幸せなスピーカー、そして幸せな関係がまたここに。