JBL Metregonの吸音からすっかり自信をつけて、今日は来週ご納品予定のJensen Old Imperialの吸音を。
ご試聴の際に、キツめの録音だとやや尖りがあるが、音の本質的な音色や雰囲気は「気に入った!」とのことでお納めということになる。
内部の吸音がMetregon同様かなり古いので、それに少し手を加えて、再度試聴してから・・とのご提案もしましたが「任せる」とご用命いただきました。
そもそも持っている性格を損なわずに、とがって聞きづらいところを聞きやすくするという目的。
ちなみにお客様は、このゲイン高めのスピーカーでも、LINN MAJIK DSMで、時にボリューム70を超えるくらいの大音量で聞かれるので、それも加味すると、やはり内部吸音がヘタっているのと、どこかにビーンという響きが乗っている。
Metregonから、吸音ノートをつけることに。(今までまとめていなかったのが悔やまれる。iPadのノートは本当に素晴らしい)
MAJIK DSM4でボリューム65で調整。これでも部屋全体がかなり響くくらいの音量。
お客様はクラシック音楽メインですが、新旧録音、大編成小編成、なんでも聞かれるので、偏らないように。
比較は、あんまりたくさんの曲でやると決断が鈍るので、
アートブレイキーのMoanin’とパパ・クライバー指揮のフィガロの結婚から「non so piu cosa son,cosa faccio」の2曲。
前者では、スピード感や中域の厚み、うるさくなる・ならないの瀬戸際感、体が乗るか乗らないかのリズム感などを主に聞いているかと思う。
後者では、オーケストラの音場、ケルビーノ役Suzanne Dancoの声の響き、抑揚など。なん百回聞いたかわからないこれなら、彼女の声の響きから少しでも精細が失われれば、それがJensenでは正解でないことがすぐにわかる。
理屈でなくて、うそ発見器みたいに血流が変わるのです。
字の汚さは置いておいて、まずは内部、底面の吸音材に加える形からスタート。
吸音材の種類→サイズ→場所→さらにサイズ
これはとりわけ音圧に注目する。
音圧が上がれば正解。
作業は片側のみ。左右の音圧差がどんどんひらいて、何も手を付けていないほうは音が鳴ってない!?と思えるほどになっていく。
(決まったら最終的に同じ内容をもう片側に施す)
助手・牧野クンが、吸音材を切ったり貼ったりして、背板を抑えている。
おばばは、ベアチェアに座ったまま「あーせい・こーせい」
いじわるおばばは、自分の中で結論が出てるときと、微妙でわからない時に「どう思う?」といきなり振る。
牧野も背板を抑えながら「ん、、こっちのほうがいい。。ん?もう一回聞かせてください」「自分の位置で聞いていると、こっちのほうが低音が減ったと感じます」
とある筋に、上記までの報告をして、上面の吸音のアドバイスをもらう。
多分天面のどこかがちょっと弱いはず。その響きを抑えればとのこと。
響きを抑えるタイプの吸音材でスタート
サイズの減量を続けて→吸音材見直し/最初ので正しかったことが判明→戻って吸音場所→さらにサイズ→場所の繰り返し
最終的には牧野の一言「自分たちが普段セッティングしている部屋を、スピーカーの中だと考えると、吸音してる部分て、このくらいのサイズにならないですか?」と小指の先に小さく乗せた吸音材。
よしそれでやってみよう。
場所もサイズも見つけて、でも本当に必要か!?と疑いたくなるくらい小さいから、何度もありなしをしますが、ケルビーノの声の抑揚、Moanin’の中域が圧倒的に違う。
(最終的には外れないようにステプラーで固定)
最後はお得意の・・・。
Metregonの際にものすごく効いた背板との間に隙間ができる部分。ここに薄いフェルト。
音場広く高さが出る。
そこでもう一度、2番目の天面の小さな吸音材を外してみたけれど、これは絶対に必要。
これでいったんの完成。
左右に同じように吸音を施す。
これで数日鳴らしてみると、吸音材がまた馴染んで少し変わってくる。
この変化がまた楽しい。
(竹田)