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Jensen Old Imperialが旅立ってゆきました!

日が長くなって18時過ぎてもまだ明るい。
そんな夕暮れにお届けに上がったJensen Old Imperial。
建築家だったお父様が設計された築50年という素敵なお宅は、程よい響きで、
ご納品前に色々ご心配(ちょっと底上げになった床など)があったのですが、鳴らし立てから呆気ないほどによく鳴ってしまいました。

「イメージ通りの音だなあ。経験上稀に見るケース」とのこと。
というのは、こちらはサブシステムで、メインはHarbeth。
コーナーの壁側に、組まれています。

メインシステムでは積み上げて積み上げて、ご自身の音を追求されていらっしゃいます。
連れて行った弊店のスタッフ牧野に
「牧野クン、オーディオは孤独な趣味なんだよ。なかなかこんなにすんなり鳴ることはなくて、色々やってみてうまくいったら小さく一人でガッツポーズするんです」

Luxmanの真空管アンプとThorensで鳴らされるJensen

これまでもメインシステムとサブシステム、いずれもHarbethをお使いで、サブのスピーカーの入れ替えとなったわけですが、
お客様が2システムお使いになられるのはワケがあると。
メインシステムに手を入れすぎて、モンスターのような音になってしまわないように、
その戒めのような、一つの基準のような、そんな形でサブシステムをお持ちになられていると。
なので、サブシステムにはあまり手を入れすぎずに、鳴らすのだとか。
(とは言っても、良い音にするための最低限のことはされている)

ご納品の次の日に、その後の様子をお伺いしてみました。
「Harbethが喉を一生懸命使って頑張って歌っていたのに対してJensenは無理をせずに、おおらかに、やさしく、それでいて繊細に歌ってくれている」とのこと。

ご納品の際、メインの音も聴かせていただきましたが、ヴァイオリンの弦が生々しくも激しく慟哭して、
Jensenはまた、お客様が仰るように全然鳴り方がり方が違うのですが、それでいて
この2システムがどこかでつながっているような不思議も感じました。

「オーディオは孤独な趣味」という言葉がのちのち響きます。
誰かと一緒に聞いていたとしても感じ方は異なるし、どんなに集まって聴いたとしても結局は「孤独な趣味」なのかもしれません。
でも、ここまで自分を投影できる趣味というのも、なかなかない。
ああ、そうか、「寂しい趣味」ということではなくて「孤独に遊ぶのは悪くない・・」というお話だったのか。
(竹田)

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