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今朝から鳴らしています。LINN KLIMAX SOLO800。

こういう高額の製品について何か言うのがいつも気がひけてしまいます。

昨今のハイエンドシーンは、当然為替や物流も関係してはいるものの、4桁の製品がざらですし、サイズも大きい。

ただ、昔に振り返って五味康祐先生の本に触れれば、当時の物価からするとDECCA DECOLAやTannoy Autographは家が買えるくらい大変なものだったこともわかります。

あまり好きな言葉ではないですが、いつの時代もオーディオは「高級」な趣味なのでしょう。

中でも、ただ技術の高さを誇ったりそれによって価格が釣り上げられるものというのは、確かに高級品だと思う。でも、LINNに自分がこうも肩入れするのは、単なる高級品ではないからです。

多分決まっているのはサイズ感だけで、「音楽」再生において、テクノロジーや価格に糸目をつけずにできたものが、360であったり、今回のKLIMAX SOLO800であったりすると思う。

なぜかというと、明らかにコンサートで聴く音に近付いていて、かと言ってそれとは違う。それと違うことでいいと教えてくれるからです。

この音は明らかに生では聴けない。しかし、この低音は今までに聞いたことがないほどリアル。

私たちは生演奏を前にした時、多分それに勝るものはないと思うでしょう。もしかしたら、それは西洋人に比べて点数が甘いところもあるような気がする。

でも、録音に残された数々の名演がこのレベルで聴けたら、もっと生演奏にも厳しくなるような気がする。

見巧者が役者を育てるように、我々が良い聴き手になったらそれだけ文化は発展する。それと並行してか、もうもしかしたら追いつけ追い越せの感じで再生芸術はそのレベルまできているかもしれない。今日そんなことを思って、来週のコンサート旅行、心して聞こうと思いました。

(竹田)

 

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