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新年初日のブログ新年初日のブログで新型のORGANIK DACになったLINN KLIMAX 350をご試聴にいらした方について少し触れました。その後お客様が、ご試聴の際の感想をお送りくださり、ブログで是非ご紹介したいとお願いしたところ、もっと詳しく送って下さったので、ここにご紹介します!

ちなみに、KLIMAX 350 ORGANIKの展示は、今月末、1月30日までとなります。

ヘッドユニットも新型でご試聴をご希望される場合はご予約ください。ご用意してお待ちいたしております。

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これは、私にとって圧倒的な「体験」でした。でも、どんな音なのかと問われると、それを言葉で表現するのが難しい…

オーディオ的な観点で特筆すべきは、その圧倒的な静けさでしょう。楽音にまとわりつく「ザワザワ」した感じが無いのです。この「ザワザワ」感、特にCDクオリティの音源で感じるそれは、44.1kHz 16bitというフォーマットの制約からくる宿命だと思っていましたが、どうやらそれは思い違いだったようです。Klimax 350 Organikでは、録音の場の空気が澄み切っているかのように感じられるのです。その感じは古い録音でも同様で、従来のシステムではキツく聴こえていたディジタル初期の録音がなんと瑞々しく聴こえることか。
あぁ、Organik DACの音質を語ろうとすると、以上のような、ありきたりの表現になってしまう… 自分の表現力の拙さを痛感します。

さて、Klimax 350 Organikで音楽を聴く喜びもまた、ちょっと今まで感じたことの無いくらい大きなものでした。使い古された表現ですが、聴き慣れた音楽が全く新しく響くのです。

演奏の細かなニュアンスの再現が、先ずもって見事です。一般的なシステムでもそれらの微細なニュアンスはある程度再現されていましたが、リスナーが能動的に掬い取りに行っていたように思われます。それに比してKlimax Organikはそれらを適切に提示してくれるため、聴き手に余計な努力を強いるということがありません。結果としてリスナーは音楽を聴くことに集中でき、音楽そのものから受ける感動がより大きくなるように思われます。

ラヴェルのピアノ協奏曲は鞭の一閃で始まりますが、オーケストラの奥の方で鞭が鳴ると、リスニングルームの空気は、今までに経験したことの無いくらい透明で清澄なものに変貌します。ラヴェルの精緻な管弦楽書法が明瞭に聴きとれ、様々な楽器が織りなす響きが、時には室内楽のように、時には大きなマスへと千変万化する様がありありと感じ取れ、聴き手を感動させてくれます。
フランクのヴァイオリン・ソナタでは、奏者相互の信頼に根ざした、親密で温かな響きがホールを充たしますし、イブラギモヴァとティベルギアンのクロイツェル・ソナタではボウイングの様子が見て取れるようで、ヴァイオリンとピアノの丁々発止のやり取りがスリリング… というように、思い出されるのは音楽のことばかり。まるで「音のことはこちらに任せて、音楽を心ゆくまで愉しんで」と言ってくれているかのようです。

Klimax 350 Organikの、そしてオーディオの素晴らしさは、貴ブログの最後の一文で的確に述べられていますね。

「数多くの音楽の遺産を、まるで初めて聴くような感動で、たった一人で、「今」対峙できるなんて、こんな素晴らしいことってあるでしょうか。」

そうなのです!自宅に居ながらにして、大切な曲・演奏と何度でも、心ゆくまで「対峙」することができる。オーディオとは、なんと素晴らしいのでしょうか!

「音楽は鏡のようなもので、音楽を聴くことは自分自身と対話すること」と、以前申し上げたことがあります。Klimax 350 Organikで愛してやまない音楽を全て聴き直すことを考えるだけで、心が浮き立つようです。大切な音楽を掛け替えの無いものにしてくれる。自分自身との対話をより深いものにしてくれる。Klimax 350 Organikは私にとって、人生を一層豊かにする魔法を使う大切なパートナーなのです。

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お客様は、サウンドクリエイトの前身、リンツの頃からのお客様で、本当に長いお付き合いをさせていただいております。

ご試聴のあとに、オーディオにかけてきた40年、最初からこの音がしていたらどんなによかったろう。ここまで来るのに長かったなぁ!と仰られていました。

(竹田)

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