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Legato 2FのAKUDORIK Katalyst、エージングが進んでだいぶ馴染んできたのでSpace Optimiseのセッティングをブラッシュアップしました。
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Space Optimiseは、以前基本の入力について紹介したのですが(こちら)、実は更に手を加えることができます。
・・と言ってもそんなに難しい作業ではないので、まずはご安心を。

簡単にいうと、Space Optimiseでは、リスニングルームの環境について入力した情報をもとに、定在波となってしまう部分を信号レベルでカットして出す・・というものです。
ちなみに、カットすると言っても、80Hz以下の、音楽そのものには直接関与しない部分だけ。お部屋にずっと残ってしまって、実際の低域が出すぎてかぶったり、それが高域をマスクして曇らせている部分のことです。

環境によっては、いくつかの帯域でディップが検出されます。
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Legatoの2Fでは5つのディップがありました。
各ディップでは、「◯◯Hzのところで、どのくらいのゲイン、バンドワイズでカットしましたよ。」ということが、それぞれカーソルを合わせるとみることができます。(ちなみに5パターンあるわけではなく、5個の異なるディップすべてをカットしています)

この中のゲインを少し変えてみると、これが変わるのです。
例えば、Legatoでは33.06Hzのところで、Optimiseの出した計算値では22.48dB分カットしていたのですが、これを減らして19dBに変えると、低域が増えて滑らかに。

・・というのは、Space Optimiseは、あくまで四角い箱の中でのこととして計算するので、梁があったり、L字型になっているリビングだったりすれば、計算値通りにカットすると、カットしすぎてしまう可能性があるのです。

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グラフ上では、こんなに少ししか変わっていませんが、大きな変化が。

シナトラの定位はこれまでに増してよくなりました。
モーツァルト「魔笛」で歌うヴンダーリヒの声の深さが増しました。

そういえばと、久々に聴きたくなってヴンダーリヒの「野ばら」をかけてみました。
この曲をKatalyst化されたAKUDORIKで聴くのは初めて。
優しく言葉を置くように歌うヴンダーリヒのの歌声が、本当にそこで生きているようで、つい涙さえ。
亡くなっても、歌は生きるんだなぁ。

試聴室の壁、スピーカーの中央には、ビュフェの絵が。

実はこれ、エラ・フィッツジェラルドのレコード「ガーシュイン・ソングブック」の5枚シリーズのうちの1枚なのですが、セッティングがうまくいったときは、この絵の扉が開くような錯覚が起こります。

この話、以前もしましたね。
でも今日のヴンダーリヒは、ホントに扉の向こうに息遣いを見た気がしました。

今日いらしたお客様とも、このレコードの話が持ち上がり、、。
お客様にも、見えていたらいいな、会いたいアーティストが。
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