先月の旅行で美術館も観てきました。パリではルーヴル、オルセー、ピカソ美術館。ベルリンでは、ネフェルティティのある新博物館と絵画館。
海外の美術館は空いていて広くてゆっくり見られるのと、写真オッケー。(日本は写真オッケーになると、混雑するからダメなのかしら?それとも権利的な何か?)
撮ってきた写真見ながら、その時抱いた感じを思い起こしながら酒の肴に、、。
まず、ルーヴル美術館で観たこの絵
この絵によく似た絵を思い出したのです。昔イタリアで観たティツィアーノの絵。似てません?
ちなみに、パオロ・ヴェネーゼはヴェネツィア派の画家で、やはりこの絵を定型にしているとWikipediaにありました。
ティツィアーノは、塩野七生のイタリア三部作(「緋色のヴェネツィア」「銀色のヴェネツィア」「黄金のローマ」)の表紙に使われていて知りました。ローマ人の物語のように歴史書的な感じではなく、もっと気軽な歴史小説だったと記憶。
「黄金のローマ」の表紙は、図録の左下の絵「ウルビーノのヴィーナス」
このとても艶っぽいヴィーナスと上のLa Bellaの彼女は同じモデルと言われています。昔ウフィッツィ美術館で観ましたが、なんとも色っぽい、ただ色気だけでなくこんなしどけない格好なのにどこかあどけなさもあり、聡明さ、品格、悪戯っぽさ、逞しさ、色んなものを持っているのです。La bellaの少し後1538年に描かれていますが、なんだか当時の宗教画や神話と比べると、すごく人格を感じられる、惹きつけられる魅力があります。映画「娼婦ベロニカ」でも描かれますが、当時のコルティジャーナ(高級娼婦)は、教養があり政治も文学の話題でも名士や貴族と渡り合う。きっとこのヴィーナスのような感じだったのでしょう。
ちなみに似たような構図で「ヴィーナスとオルガン弾き」(左の図録)という絵をベルリンの絵画館で観ましたが、全然感じが違って同じ画家の絵とは思えない、、。
昔は裸体を描くといえば、宗教や神話にかこつけて描く、単なる裸体を描くのはNGだったので、みんなヴィーナスだのなんだののタイトルがつけられていますが、このウルビーノ、、は今観たって官能的だから当時だってきっとザワザワしたことでしょう。
現に、後年マーク・トゥェイン(トムソーヤの冒険の作者)は、ヨーロッパ旅行の放浪記で大批判しています。
が、エドゥアール・マネの名画「オランピア」は、このウルビーノ、、の影響とか。
最初に戻って塩野七生のイタリア三部作に登場する架空のオリンピアの名はここからとったなんてことはないかしら。
因んでばかりですが、マネといえば「草上の昼食」で、神話とも宗教画とも関係ない裸の女性を描き当時スキャンダルになったのでした。
ティツィアーノもマネも現代的な感覚の人だったのでしょうか。この絵もピカソや色々な画家がオマージュを描いています。
上に挙げたティツィアーノの「La Bella」が、モンテヴェルディのCDのアルバムジャケットになっていたのを見つけたのでこれを聴きながら。
(竹田)