弊店では様々なヴィンテージスピーカーを扱っています。中にRCAのスピーカーがあります。
個人的な大まかな印象は、アメリカのスピーカーとしてはインテリジェンスが前面に出る感じ。
RCAケーブルやRCAレコードの、あの「RCA」ですから、当時のアメリカの国力を思わせる大きさやプロっぽさもあり、すごくきちんとした作りの、当時この音してたのか、、というような優秀なスピーカーが多々あります。ハマった音源は、チャーミングにも鳴らす懐の大きさがある。玄人好みで、時に綺羅星のような素晴らしいスピーカーもあります。
右は、LC6、左はMI11407C。
LC6はモニタータイプで、前面の蓋を留めているネジを開いて、スピーカーユニットを簡単に交換できる仕組み。これは元々のオリジナルキャビネット。フルレンジにツイーターを組み合わせています。
MI11470Cは、元々壁掛けのタイプで、オリジナルキャビネットは売れてしまったのですが、あまりに良かったのでバーチ材を使って、弊店で作ったレプリカ。サブコーン付きのメカニカル2ウェイ。
ユニットはもちろん当時のもの。いずれもハンマートーンの仕上げ。
音にそこまで違いが出るように見えないでしょうが、これが結構違います。
LC6は、確かにモニターライクで、真面目にきちんと鳴らします。「優秀な人という感じ」というのはお客様の言葉。鳴らして手がちゃんとするとそれにきちんと応えてくれる。
MI11470Cは、RCAのどのスピーカーよりも、一番簡単な作りに見えるのですが、これが綺羅星の存在。可愛げのあるスピーカーで、キレがあり、生々しさ、ライブ感や実在感、臨場感という言葉が次々浮かびますが、なんといってもチャーミング。遊びがあります。
絶対に、当たり前に良いのは、RCA録音でハリー・ベラフォンテ。カーネギホールのShenandoah、泣けます。お客さまがお持ちになられた編成の小さなオーケストラも生き生きとして。大編成はもう少しスケール感欲しいところだけれど、健闘している。驚いたのは、バッハの「トッカータとフーガ」パイプオルガンの音と音場。高さもしっかり出て、思わず中空を見上げる。昭和歌謡は当たり前のように良い。
ヴィンテージスピーカーってこういうのがあるから、やめられない。。
(竹田)