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友人にライブを聴きに行こうと誘われました。
ブルーノートとか、コットンクラブでなく、JAZZのライブハウスで知らないアーティストさん。
ちょっと気乗りしない・・・。
むかし、友人のJAZZライブに誘われ、どうだった?と言われて返答に困ったことがありました。

実際聴き始めたらライブハウスのPAの音がちょっとキツく感じられ、これを1時間は辛いなぁ・・と思っていたら、、、、
演奏がめちゃくちゃいい。
バンドはピアノ、六弦のギター、パーカッション、そしてリーダーが女性で、ヴァイオリン。
彼女の名前はSAYAKA。

JAZZ・・・というか、ラテンからクラシックから、なんでもありなのです。
砂漠を歩くような中東っぽい雰囲気から音楽が始まり(ヴァイオリンとピアノの弦を弾いて演奏する)、途中彼女のアラビア語?の歌も挟み、聞き惚れていたら景色がどんどん変わり、いつの間にかラテン、そしてよく聴かれるビゼー「カルメン」の「ハバネラ」が登場・・。
まるで旅行をするように音楽が繋がってゆきます。
旅先の様々な景色に自分の感情が動いてい行くのを思い出し「ワタシ、旅行したい!しなくちゃ!2-3年に一度は絶対旅する!」と聴きながら心に決めました。

この後に演奏したオリジナル曲「0から100まで」は、彼女の7歳の娘さんを表現したというもので、7歳の女の子があっちへゆき、こっちにぶつかり、泣いたり笑ったり、それに翻弄される周囲の大人の目まぐるしさや、最後疲れて眠る少女を見守る母のまなざし、少女の幸福を願う感じが出ていて、楽しくてまた聞きたいと思う癖になる曲。
聴きたくてYoutubeに上がっていないかな・・と思いましたが、まだないみたい。

脱線します。
音楽体験の強い記憶の1つに、イタリア、ミラノの地下鉄の車内で聴いたヴァイオリンの音があります。
13-4歳になるかと思われる大人びたジプシーの少年が、1駅間で弾いたクラシックの短い1曲。
物悲しい、だけれど媚びない響き。気品がある演奏。
駅に着く寸前スッと弓をおろし、片手にヴァイオリン、もう片手にお布施用の紙コップを持って車両を通り抜ける。
車内でお財布を出すのが怖くて入れられなかったけれど、20年以上もあの時の感情が澱のように残って、なにかふとした時にうっすら浮かび上がってきます。

彼女の響きは、あの少年とは当然力量も明るさもまるで違うのだけれど、なんだか急に思い出されました。
奏者と観客の近い距離間で、目の前で音楽が生まれる「ライブ感」は、ライブハウスならいつも味わえるかというとそうでもない。
彼女のような「音楽そのもの」の感じ、肩肘張らないプロフェッショナルを見たのは初めてでした。

いきなりファンになっちゃった。
プロフィール後で見たらスゴイ。こんな人いるんですね。
(竹田)

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