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20年前の今日、5月2日は、伝説の天才WRCドライバー“ヘンリ トイボネン”の命日です。

彼のWRC戦歴はたったの3勝と少なかったものの、圧倒的な速さと力強く切れのあるドライビングは憧れであり、実際その年の優勝候補として最前列にいました。

当時のWRCはグループB全盛時代。
前年にトップドライバーを事故で1人失ったにもかかわらず、速さのため安全を無視した軽量化とハイパワー、ハイスペックで(当時のF1が約1000馬力といわれていますが、グループBカーの加速はそれ以上だったとか)一般車両を封鎖した普通の公道で、競技をするわけですから、正に狂気といえます。
当時の映像を見ても、車の動きが尋常でなく、明らかにオーバースペックの感があります。

悲劇が起きたのは、第5戦ツール ド コルスにて。トイボネンはデルタS4 を駆り、2位以下を大差で引き離し圧倒的速さを見せますが、SS左コーナーを操作ミス。そのまま崖下に転落、コドライバーと共に帰らぬ人となってしまいました。

これを機に、グループBは完全撤廃。WRCの歴史上最大の事件として記録され、後のグループAに大きく変化していきます。

当時のWRCは情報が少なかったものの、独特の空気と危うさがありました。
もしトイボネンが生きていたら、今のWRCも全然違うものになっていたかもしれません。

フジイ

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