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スピーカー MAGICO V2

パワーアンプ MARK LEVINSON NO532H

プリアンプ OCTAVE HP500SE

プレーヤー LINN AKURATE DS

 

毎日様々なアンプでドライブされるスタッフ皆に愛されているMAGICO V2。

今日はどんな音を聴かせてくれるのかしら?と興味津津。

 

昨日、一昨日は、TRIGON TRE50でドライブ。

同社MONOLOGの余裕たっぷりとまではいかないものの、音楽のところどころに垣間見える懐の深さというか、とろみというか・・・これはコストパフォーマンスの高いアンプだと思います。

TRIGONのTRE50とTRV100は、私がこの店に入って半年、やっとオーディオの「オ」の字の口の開きくらいまでいったところ・・・という頃に入ってきたアンプで、レコード芸術でオーディオ評論家の菅野先生が取り上げられ、まだあまりオーディオ雑誌を読みなれない初心者の私にも「すごくいいことが書かれている」というのが感じられるくらい大変褒めていらっしゃったのを覚えています。

 

ところで、私は1週間前に聴いたOCTAVE V80でドライブしたMAGICOが未だに忘れられずにいます。何度聴いたかわからないオスカー・ピーターソンのコルコバードが、あんな風に鳴るなんて!余すことなく再生されている感じ。オスカー・ピーターソンがそこに居ると感じたのはV80でドライブしたMAGICOが初めてだったのです。

そう、それであまりいいことではないのですが、V80で聴いたMAGICOをどこかで基準にしてしまっているんです。(多分、パワーの出方の頃合いがすごくよいんだと思います。)

 

さて、本日は、Mark Levinson No532Hにてドライブ。

No532Hで聴いてまず驚いたのは、その音場。

静かで、音楽の輪郭をとらえつつ、何とも不思議な音場が広がります。肉感的な暑苦しい感じにはならず、さわやかなような少し肌寒いような、まるで霧の中に居るよう!

それから、フルートやメゾソプラノなんかの中高域の美しいこと。

グランカッサやピアノの低域は、少し緩い印象。

よって、基準にしてしまうオスカー・ピーターソンのピアノは今一つ。でも、音場の表現は独特で美しい。

中高域が美しいということは、女性ボーカルが美しいはず・・・と、DSのプレイリストの曲を送っていくとバーブラ・ストライサンドの「the way we were」が。

なんとなく聴き始めたら手が止まってしまいました。

 

「the way we were」は、映画「追憶」の主題曲。

始まりの舞台は大戦直前の37年の大学反戦運動が盛んなころのアメリカ。バーブラ・ストライサンド自身、ヒロインとして出演しています。

バーブラがぎりぎりと真面目に学生運動に励む女学生(曲げられない女)っぷりをよく出していて、それなのに思想のまるで違う、お坊ちゃん育ちのハンサムなハベルに、普通の女の子並みに恋をしてしまうところや、恋が成就し結婚しても、彼の仲間や取り巻く環境に馴染めないところ、愛し合いながらもいずれ立場や思想の違いから別れざるを得なくなる・・・といった、何ともやりきれないお話。

離婚してそれぞれに家庭を持ち、何年もたった後で街角で偶然に出会う2人。

バーブラの心に流れるのは、おそらくこの「the way we were」なのだと思います。

 

ここまでのことはなくても、誰しも忘れられない人や、思い出すのには辛すぎる、苦すぎる思い出がきっとあるでしょう。

この歌をレビンソンでドライブした今日のMAGICOは、しみじみと聴かせてくれました。

そう、ちょうど霧に包まれた思い出のように・・・。
(竹田)

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