music

以前にも本店ブログで書きましたが、サウンドクリエイトに入った10年前はオーディオどころかクラシック音楽のこともほとんど知りませんでした。

私の音楽遍歴1参照

今の店に入って、「私はちっとも詳しくなかった」と知った頃、あるお客様から教えて頂いたのが、このベルリオーズの「幻想交響曲」でした。
ひけらかすわけでも、教えてあげる、というのでもなく、
「ぼくね、これが好きなんだよ」と、わからない私にこの曲のこと、作曲家のことをお話しして下さいました。
淡々とお話しされる中に、そのお客様のこの音楽に対する「熱」を感じ取って、すぐにでも聞きたくなり、早速、これまた聴いたことのない名前の「クリュイタンス」という指揮者の盤を買いました。
初めはよくわからなかったけれど、4楽章の「断頭台への行進」やそれに続く「魔女の夜宴の夢」などが面白く、繰り返す聞くうちに、他の指揮者のものを聞いてみたり、段々とCDが増えて行った時期でした。
ラジオでかかって「あ、幻想」と言える自分が嬉しかった。
久々にお目にかかったお客様に当時のお話しすると、ニコニコしながら
標題音楽の初めの頃のものでしょう、あれは。よく、『標題に書いてあるように感じるだろうか』と思って聴いていたよ。・・・。
ということで、今晩は自宅で幻想中。
自身の失恋に重ねて書いたというこの曲。
各楽章に詳しい標題が書かれています。
《病的なほどの感受性と激しい想像力をもつ1人の芸術家が、恋に絶望し、アヘン自殺を測る。致死量には達していなかったので、深い眠りと不気味な幻想の中に落ちて行く・・》
そんな前置きがあって、更に各楽章にも一言と言わず、割と詳しい状況説明が、ベルリオーズ自らの手で加えられています。
詳細はCDのライナーノートやWIKIPEDIAで。
「幻想」を聴いて、恋を彷彿とさせる感じはしませんが、実際の恋愛中は、自分を見失ったり、嫉妬に狂ったり、それを隠そうとしてあたふたしたり、自分を良く見せようとして自滅したり、美しい思い出にすがりついたり、天にも昇ったかと思えば、高いところから地面にたたき落とされたり、挙げ句全てを忘れ去朗と心に決めれば、生きていることへの感謝の気持ちがわいてきたリ、自分の不安定でイヤな面を随分見るはめになるものです。
言葉で説明すると不可解になる心の動きが、音楽になるとうまく説明できている・・・と言うか、全ての気持ちはつながっているなぁと感じます。
ベルリオーズは医学を学んでいたからでしょうか?
こうして聴いていると、意外と実際的な人な気がします。
どの楽章もそれぞれ好きだけど、バラバラな曲に思えたこの「幻想交響曲」、ベルリオーズの「言葉」を加えることによってかよらずか、やっぱり1つになっているなぁ。
若い頃、「好き」とか「嫌い」とかそういう言葉だけでは表せない色々な感情が、言葉にする先からバラバラになってうまく伝わらずジレンマを覚えたものです。
感情の宇宙みたいなものがそのまま渡せたら楽なのにと常々思っていました。
これからは「こういうことだから」と、「幻想」聴かせればいいのかも!?笑
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