本日は若いお客様がスピーカーの比較試聴を。
学校の部室のシステムを新調したいというご要望。
小型のブックシェルフを3種類比較され、
先輩は「低域の感じでいうなら(LINN UNIK)こっち」
後輩君は、「僕はあっち(PIEGA TMicro3)が好きだけど、先輩の決めたもので!」
そういわれると先輩も「確かにそっち(TMicro3)も楽器の一音一音は良く聞こえるよな。どっちもいいんだよな」
・・・そんなやり取りがなされた中、システムも無事決まり(LINN UNIKに決まり。10年以上を誇るロングセラーモデルです)、
雑談の中、ご相席されたお客様から何の部活なの?など聞かれるままに「JAZZのビックバンド」と答えたのを受けて、「学生さん」で「ビックバンド」だったら、コレ読んどかなきゃ!とJAZZ喫茶ベイシーの店主菅原正二さんの本をお勧め。
エラそうにそんな「伝道」をしていましたが、じつは私自身はお客様から「コレを読みなさい」と言われたのが五味康祐氏の「オーディオ巡礼」「西方の音」と、写真のこの本、瀬川冬樹先生の「虚構世界の狩人」。五味先生も瀬川先生も今は亡いのが惜しい方々ですが、その影響を多分に受けたオーディオ諸兄はきっとたくさんいらっしゃるはず・・・。
瀬川先生の本は絶版になっていたので、古本を手に入れました。
五味先生の「オーディオ巡礼」はステレオサウンド社から復刊されています。
「西方の音」は絶版になっているようなので、先輩スタッフに借りました。
「ジャズ喫茶「ベイシー」の選択」は、駒草出版から「ぼくとジムランの酒とバラの日々」という当時の連載タイトルに戻って出版されました。
本を読んでナマの音が聴こえるわけではないですが、その精神は文字の間を飛び出してストレートに心に突き刺さり、本に書かれていることと目の前のオーディオシステム、それから1枚のレコードを手がかりに、きっと脈々と受け継がれていくような気がします。
本を介して伝道し、伝道を受け、きっとずっとつながっていくに違いありません。
・・・
最初に出てきた大学生の彼らがiPodでかけていた曲、「このデータは何のファイル?何からとったの?」と聞くと、「僕らが入部するずっと前からあるデータなんで・・・」とのこと。
これもまた伝道!