皆さんもオーディオを使って音楽を聴くとき、知らず知らずと行っている「儀式」。
システムや環境、もちろんその人の性格によって様々な行動の数々・・・
例えばアナログプレーヤーの場合、盤面のホコリを拭き取り、ターンテーブルに載せ、アンプのボリュームを下げた後に針先の汚れを取り除き、そっと盤面に針を降ろす。そしてアンプのボリュームを上げていく・・・
文字にすると結構面倒な作業を行っています。
「音楽を聴く、これから音が体に入ってくる」準備をするための”儀式”と思って行うと、また一味違った聞こえ方がするかもしれません。
オーディオ歴5年のTさんは、デザインに惹かれ軽い気持ちで始めたものの、今ではすっかり音楽漬けの毎日。
どっぷりと聴きこむ場合もあれば、仕事をしながら”流す”時間も少なくないとか。
「さあ聴こう!」と構えて音楽と向かい合うとき、決まって行う”儀式”があるそうです。
それは「お香を焚く」ことだそうで、いつの間にか定着したクセの様なもの。
お香がスーッと薫ってくると体が「聴く態勢」になるそうです。
「ご愛用のアンプの暖気時間が少々長い」というSさんは、アンプの電源投入と同時に、コーヒーミルでコーヒー豆を挽き始めます。
お気に入りのコーヒーはいつものお店のいつもの豆。
お部屋中が香ばしいコーヒーの薫りでいっぱいになる頃、スピーカーから出てくる音楽も、部屋いっぱいに広がるようになるとか・・・
自宅でほろ酔い気分-音量を少しだけ上げすぎたかな?と思ったとき、
あのお二方はきっと、「嗅覚」を「スイッチ」にしているんだ。気づくのでした。
(金野)