「良い音」で音楽を聴けるようになると、ある錯覚に陥ります。
-自分の目の前で演奏が繰り広げられている!のではないか!?-
経験のある方もたくさんいらっしゃると思います。
オーディオや音楽が、趣味としてかけがえの無いものになる”きっかけ”であり”やめられない”麻薬の瞬間ですよね。
自分の部屋にいながらにして、敬愛するアーティストが目の前で歌い、往年の名演で巨匠がタクトを振り、熱狂のライブではパーカッションが空気を切り裂く・・・
そんな至福の瞬間、皆さんはどんな風に感じているのでしょう?
例えばヴォーカリストやオーケストラ、バンドやライブの熱狂が、
自分の部屋に「来る」感覚でしょうか?
それとも、演奏が行われている現場に「行く」感覚でしょうか?
考え方はそれぞれ趣向もいろいろなので、どちらが良いとも言えませんが、
私は断然「行く」方を意識して目指しています。
CDをかけたその時、針をレコードに降ろしたその時から”バーチャルトリップ”が体験できるのです!
目を閉じれば、場末のJAZZクラブにも、アビーロードスタジオにも、カーネギーホールにだって「行く」ことができるのです。
実在しない音世界にさえ連れて行ってくれる”オーディオ”は、
さしずめ「自分だけのどこでもドア」といったところでしょうか?
(金野)