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休み明けの朝、音を鳴らす前に改めてスピーカーに向き合ってみたところ、
景色がとっても歪(ゆが)んで見えました。

全体が左に寄っているようにみえる。
いつも座って見ていたのが、リスニングポイントより後方に立って見るのとで見え方が異なったのか・・。
先週、RCAのスピーカーのセッティングをしながら、どうも定位が左に寄る、右のスピーカーの低域が曖昧で左右の音色が違うなどで少々悩んでおりました。
メジャー片手に、左右の環境が揃うように置いていたつもりでしたが・・・

しかしながら、見た目がこんなに歪んでいるなら、音が揃わないのも道理と、この際メジャーは傍らに置いて、見た目に合わせることに集中してみました。

数字を追いかけずに、見た目と音に集中すると、意外といろんなことに気が付きます。

RCAのラコーン社のホーンを小さなゴムで上げていましたが、ゴムがへたって左右でほんの1-2㎜高さが違うとか、気が付けばオルソン箱のキャビネット自体が左も右もやや右上がりだったり、そうして見た目と音で合わせていったところ、最終的にメジャーを手にしてみれば、多少の誤差はあるものの、遠からず。

ちなみに、揃ってくると不思議と見た目にも音も静かになっていく。
ざわつかないというか・・。

考えてみれば、水平がとれていなければ変わる、測る人の測り方によっても変わる、数字は基準となるようでいて、意外と曖昧なものなのかもしれません。

厚での革で水平を取って、沈み込みを待って聞いたマーラー5番のアダージェット。
中々とろみのある良い響きになってくれました。

エリアフ・インバル指揮、ルフトハンザ放送交響楽団の盤をよく聞きますが、内省的な響きに、曖昧になりつつある感情の記憶の断片・・具体的な思い出が浮かぶのではないけれど、喜びとか悲しみとか、自分の中で今までに起こった感情の記憶・・・が混ざり合って輝く感じ―――ちょうど光の中で塵が舞う幾何反射を見るような―――を抱きます。

そういう響きの片鱗が少し出たかな。
もう少し鳴らしこみをしたら、またちょっと手をいれるか・・。
色々と期待が深まります。

・・というところで、今日の学びは、「数字に頼らない!」でした。
(竹田)

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