
先日のこと。LINN LP12のご納品の際に、MAJIK DSM5のデモのご希望をいただいたので、お持ちしました。
電源はオーディオシステムの近くにあり、2ピンの壁コンセントでしたが「昔200Vを引いていたけど、やめて100Vにした単独回路」とのこと。
もしかして3芯なのかな、と思いつつ、アースは繋がっていないようだし、単独回路ならいいかもと思い、まずご納品のLP12を繋げ、今お使いのアンプに繋ぎ聴いていただき「演奏が全部わかるよう。やっぱりこのカートリッジすごいなぁ(KENDO)」と数枚聞かれたあとで、MAJIK DSM5に変えてみました。
制動力の差は大きく、15畳くらい?あるお部屋の半分まで音がくる感じ。「フォノイコライザーの違いもあるかなぁ」と言ってかけられた岩崎宏美の「思秋期」。
♫誰も彼も通り過ぎて 二度とここへ来ない
青春はこわれもの 愛しても傷つき・・・
すごい歌詞だなぁ、18の時の恋、19の時の相手を歌い、嫌な思いをして段々グレていく感じだなぁ、、、などとぼんやり聞いていたらお客様が「このカートリッジくっきり出してくる感じだね」と仰られ、ハッとする。
ちょっとこの岩崎宏美強いかも、電源の場所変えて良いですか?と、間違いなく2ピンで2芯の電源から、システム一式の電源を取り直して驚きました。
音は、お部屋の半分どころか、後ろまで回り込みました。
岩崎宏美はグレてなんかいかなくて、恋の重ねて諦めを知り、恋に恋する少女から大人の女性になっていくのでした。
こんなに感じ方が変わるのは、まさしく、細やかなニュアンスがしっかり出るから。
お客様も「こっちのがいいねえ!」
再度元々お持ちのアンプと比べたら、元々のアンプは、岩崎宏美の声があまくなって、その感じ自体はとてもよいのですが、バックのオーケストラが寂しくなってしまいました。
「この声は悪くないんだけど、アンプの設計が全く違う感じだな、、。」
というような比較の話はともかく、電源に関してはもう、確実に3芯は良くない。アース線は、切れていても繋がっていてもアンテナになるのだなと、はっきり思いました。
もちろんアースは地面に落とすものです。路面店のLegato時代にもアースを地中深く落としていました(しかも、場所を変えて2箇所)。とても不安定で地面が乾燥すれば水やりをし、湿気が多すぎるとそれはそれでよくなかったり、今日はA、明日はBのアースに繋ぎかえたりしていました。音が天気と共に晴れたり曇ったり苦労しました。
今の「正しい接続」になってから本当に安定しましたが、コンセント自体2芯を使うのは、こんなに違うなら徹底したいところ。
ちなみに、近くに2芯(2ピン)のコンセントしかない場合、弊店のオリジナル電源タップのケーブルは太いし取り回ししにくいので、1,2mにして、その先は延長コードを使うので十分よくなります。
(竹田)