その後もTC10XとTP3というPIEGAの小型スピーカーは周りにある大型ヴィンテージに間違えられるほどの素晴らしい鳴りっぷり!!
それにしても、この小型スピーカーとは思えない音場の広がりや、最低域まで出ていないにも関わらず充分すぎる量感のある低域…
これはPIEGA TC10Xの構造をもう一度考えてみると、納得がいくのです。
全ラインナップに共通しているエンクロージャーはアルミ押し出し成型で、厚さ4㎜という極めて薄いキャビネットにも関わらず、
剛性が高いのが特徴。
例えば木材で外寸を同じ大きさ同じような剛性で作った場合は、厚みが必要になるため容量が少なくなってしまいます。
エンクロージャーが薄いということは必然的に容量も増えるため、TP3やTC10Xのような小型スピーカーでも量感が感じられます。
そして上半分に収められているツィーターは、ご存じPIEGAの誇るC2リボン同軸ツィーター。
ツィーターの振動膜がミッドレンジの振動膜に囲まれている同軸リボンシステムで、
中域と高域があたかもひとつの発音体から聴こえてくるようなスムーズな音を奏でます。
僅か0.02mmという薄い振動膜からなるリボンツィーターは、ミッドは400Hzという低域から再生可能ですが、
TC10の場合は800Hzから3,75kHzをミッド、3,75Hzから50kHzをツィーターが受け持っています。
そしてスキャンスピークと共同開発されたウーファーは、コーン紙で軽くてストロークが長く、ポイントはユニットの斜面に施されている斜線。 ↓ ↓ ↓ ↓ ↓
これはコルゲーションの一種で、分解振動の違いを均一化する役割があります。
またこの斜線はスクリュー状に配置されているので、音が前に押し出される効果もあり、
15㎝ウーファーとは思えない低域が再生されます。
同軸リボンの浸透性に、バランスのとれたウーファーのハイスピード感と量感が魅力です。
Beegie Adairの「You’re the Top」はベースのピッキングが明瞭で音階が追え、メインのピアノのとのセパレーションが良く、
中盤からピアノの重音が入ってきても、一鍵一鍵の音がかぶらずに再生されるのでクリアでリズミカル。
Simon Rattle / Berliner Philharmoniker「Tchaikovsky, the Nutcracker」は冒頭部から空気感溢れるシンフォニーが薄く
ならずに密度濃く、弦さばきの軽やかさが際立ちながらもオーケストラ全体の情景が目前に浮かびます。
ご好評につき、「PIEGA FAIR」は延長していますので、この機会にお気軽にご試聴してくださいませ♪