年末ごろ、システムのご相談を受けました。
いわゆる「オーディオ」が初めてであることや、ご友人のお勧めでLINNのネットワークプレーヤーをお使いになられたいことなどを事前に伺い、タイプの異なるスピーカーをいくつか聴いていただくことに。
その中で最終選考に残ったのがPIEGAとGOLDNOTEのスピーカーでした。
Goldenoteはイタリアのスピーカーで、音の傾向は、フランコ・セルブリン在りし日のSonusfaberによく似ています。あの時代のソナスをそのまま現代まで歩を進めた感じ。
そうやって比較するとPIEGAとGOLDNOTEは割と対照的な位置にあるスピーカーカーもしれません。
が、最終的にこの2つが残ったのは、そんなに不思議ではありません。
どちらもとても音楽性がありますもの。
絵で言えば前者は写実的でそれでいて「絵」としての存在感がある、後者は濃いめの水彩画で印象付ける‥という感じでしょうか。
マーラー交響曲1番と宇多田ヒカルをかけて、なんでも聞くのでなんでも鳴ってほしい。
そして、「初めてのオーディオ」と仰るには玄人はだしな聞き方をされて、セッティングによる低域の処理の仕方など「なるほど!」と、パッと聞き分けられます。
よくよく伺えば、学生時代から楽器を演奏されていたのだとか。
以前も楽器を操られる方がPIEGAをご選択いただいたことがありましたが、ピアニストの辻井伸行さんもいくつかの中からPIEGAをご選択いただいたのでした。
そうそう、PIEGAって、演奏家の方の耳も納得させるところがあるのですが、これって多分音色や明晰さ以上に、高域から低域までのつながりなどではないかと思うのです。
時折楽器を演奏する方のお話を伺っていると、とにかく音がバラバラに聞こえるものが多い、ハーモニーしないということを耳にします。
音色や音場などの話の前に、まず音楽にならないと気持ち悪くなってしまう・・のだとか。
特に昨今のPIEGAはネットワークも改良されて、リニアでスムーズ、上から下までつながりが良く、リボンの良さも十二分に発揮されています。
こうしてお納めさせていただいたPIEGA Premium701とLINN SELEKT DSM(Katalyst DAC)で聴いていただき、既に半年ほど。
ご納品のあと、オーディオボードの件でお伺いした際
「PIEGA本当にいいっすね!!すごい聴いていますよ!音楽かなり聞いています」
とのこと。
アプリをすっかり習得された小さなお子さん方とのチャンネル争いには、優しいお父様が押され気味のご様子で、SELEKT DSMの有機ELのパネルにはポケモンの歌が・・(笑)。
(竹田)